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カテゴリ:季節( 38 )


2018年 02月 04日

檐溜(たんりゅう)ではないが

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徳冨蘆花の「自然と人生」を手に入れて久しい。
美文の宝庫である。あまりに美しく、もう絶対に手放せない。

檐溜(たんりゅう)と題した一文がある。
檐溜とは、軒下に滴った雨の水たまりのことである。

「・・・檐溜を浅しと云うことなかれ。其の碧空を懐に抱けるを見ずや。檐溜を小なりと云うことなかれ。青空も映り、落花も點々として浮かび、櫻の梢も倒ま(さかしま)に覗き、・・・」

これを読んだ時、片瀬にある本蓮寺の水盤を想った。
ここは鎌倉とは違い訪う観光客はない。
しかし僕は知っていた。その水面に映る紅梅のあることを。

無論それは檐溜ではないが、近しい存在と想い、紅梅の開花をこの一文のように表現しようと決めていた。
そして今日、出来過ぎのように適った。

立春の好日、新しい年がくれた僕へのメッセージである。
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by libra-mikio | 2018-02-04 21:06 | 季節 | Comments(0)
2018年 01月 28日

影絵の如きモルゲンロート

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今朝7時45分。
数日来の透明度に比し、少しクリアさは低下していた。
それに東の地平にわだかまる雲により、本来とっくに見られたはずのモルゲンロートは起きなかった。

がっかりして、遠く近くを飛ぶカモメのさまをぼんやりと見ていた。

ふと振り返ると、富士が光りはじめていた。
しかも、均一な等高線どおりに降りてくるモルゲンロートではなく、地平の雲の影絵の如きモルゲンロートだった。


by libra-mikio | 2018-01-28 18:24 | 季節 | Comments(0)
2017年 11月 16日

落葉松

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若き日、落葉松は空気の如く身近にあり、若葉や黄葉を見ることは呼吸をすることと同義であった。
あまりにも近しかった故、その後都会に戻っても心の中に生き続け、再確認する必要がなかった。

今でもその気分は濃厚に残っているが、人生の節目を迎え、改めて個人的なセレモニーとして落葉松林に向かい合うことにした。
彼らは僕にどのような記憶の断片を紡ぎ出させるのか。




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記憶の断片を・・・と書いたが、やはり特別なエピソードは顕れない。
視覚としては。
そう、興味深いことだが、改めて向き合うと視覚よりも嗅覚の方が何かを浮かび上がらせようとしている。
臭いの残像とでもいうのだろうか。
本来思い出したかった大学時代のことではなく、高校時代に軽井沢で夜通し星を見た印象が深海魚のように心に登ってきた。
それはそれで僕が光っていた時代だ。




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とりとめのない話になりつつあるが、思い出などは、もとより夢のようなものである。
落葉松の黄葉は、僕にとり特別なものではなく、ベッドの枕のようなものなのかもしれない。


by libra-mikio | 2017-11-16 23:00 | 季節 | Comments(0)
2017年 10月 29日

秋の面影

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子供の頃から10月の花はコスモスだと感じていた。
小さい頃は10月にちゃんと秋が来た。
今は違う。
今は違うと書いたが、今年は「いつもの今」ともまた違って、何か荒々しい日々が続いている。
明日、首都圏の電車は動くのだろうか。




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でもそんな不順な秋に直面しても、僕は要所要所で秋の風情を切り撮っていた。
ほんの少しの晴れ間でも、絵になる秋を探して歩いた。
この柿畑?はお気に入りで、この時はまだ熟柿とは言えなかったが押さえて置いた。
そして、この後撮影に向く日は一切やって来なかった。




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秋の面影。
毎年巡っては来るが、どれ一つ同じ相貌は見せない。
今年の秋を、今年の10月を、なんとか僕は記憶に定着させた。


by libra-mikio | 2017-10-29 22:09 | 季節 | Comments(0)
2017年 10月 20日

名残の秋

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わずか一月ばかり前なのに、もう遠いことのように思える。
ポール・ラッシュ先生は清里の深い霧に佇んでおられた。
この場所に僕はいくつかの想い出があり、もちろんもっと多くの想い出が、数限りない人々の胸にあるだろう。
そしてこんな霧にまかれると、ちょっと切ない。




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今頃は清里のコスモスも「死にゆく者への祈り」を低く詩っているだろう。
コスモスは、晴れた日に見るのと氷雨に見るのとではずいぶん趣が変わる。
そんなことを書いてはみたが、それは見る人の勝手な想いなのかもしれない。




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秋も半ばを過ぎ、全てが中途半端に見える今、多少の回顧に浸ってもいい。


by libra-mikio | 2017-10-20 23:00 | 季節 | Comments(0)
2017年 09月 10日

逸る心

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金曜の夜、お天気キャスターたちは「土日は日差しが出ます、でも乾いた空気が肌に心地よいでしょう」と口を揃えて言った。
よし、どちらかの日に曼殊沙華を探そう、そう決めた。

でも土曜日は、目覚めた時から円覚寺に坐禅に行きたくなり、そっち系で固めた。

で、今日、やはり早朝から清々しく、マイフェイバリットエリアに曼殊沙華を求めた。
どうだろう、沢山咲いているかしら、もう現地は老若男女のカメラマンたちで溢れかえっているかしら。

結果はまだ少し早かった。
そして割り合い有名なこの地に、カメラマンはおろか人っ子一人いなかった。
ちゃんと考えれば時期が1‐2週間早いことは判る筈だのに、心が逸り、来てしまった。
でもね、うふふ、数は少ないけれど、今日は咲いている彼女たちを独り占めにできる。




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田もいい雰囲気になっている。
稲の実る甘い香りがし始めている。

すると、こちらもかすかだが、金木犀の香りも交じり始めた。
何処に居るのか確認はできなかったが、初秋の金木犀はなかなか姿を現さないものである。




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マイフェイバリットプレイスからまっすぐ帰る気にもなれず、富士北嶺に向かう。
中の茶屋を過ぎ、林道の名前は失念したが、おそらくは登山道の二合目付近で、ツリフネソウが目立つようになった。
クルマを停めて元気のよさそうな子を探していると、ミズヒキに何かを相談している子を見つけた。
ただ、ミズヒキは心なしか迷惑げだ。


by libra-mikio | 2017-09-10 22:06 | 季節 | Comments(0)
2017年 04月 16日

すこし遠い散歩

伊豆は、海であり、山であり、郷愁である。

今日も一日、伊豆を走った。
季節を求めて。

しかし、旅行ではない。
すこし遠い散歩である。
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by libra-mikio | 2017-04-16 21:19 | 季節 | Comments(0)
2017年 03月 30日

ためらう春

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3月も終わろうとしているのに、今年の春は何をためらっているのだろう。

いつものように明るい笑みを振りまけばいいのに。

花だって、咲いては見たものの、どこかおずおずしている。

春は、僕などの思いもよらぬ悠久の something からの使いだろう?

そして僕は、春の笑顔を見ることで自分の憂さをようやく晴らすことができるというのに・・・

自らの気分にがんじがらめになるのは僕だけでたくさんだ。
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EOS5D




by libra-mikio | 2017-03-30 22:26 | 季節 | Comments(0)
2017年 02月 06日

春二月、如月は光の中

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春二月、如月は光の中。
21歳の頃、部室の連絡帳に書いた言葉が蘇ってくる。

お気に入りの里山には美しい光景が広がる。
一瞬、この電信柱は何とかならないかとも思ったが、人々の営みがあってこその和みの風景なのだと思う。
季節を表現する時、人の存在は必要なのだろう。




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疎林の林床にも新しい命が芽生えている。
朝の低い太陽が、葉緑素を思い切り浮き上がらせた。
これからどんな花を咲かせるのか、見つめているうちに何だか嬉しくなってくる。




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これも以前書き、印刷物にもなったのだが、マンサクとは「まず咲く」が転訛したものだという。
まだ周囲は褐色の山野であるが、その中で一際目を引く明るい色でその存在を高らかに主張する。
しかもその姿はお茶目だ。

一週間後に同じ場所を訪れてみようか。
その時は既に、背景は柔らかな緑になっているかもしれない。

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by libra-mikio | 2017-02-06 20:38 | 季節 | Comments(0)
2017年 01月 21日

新しい春 sanpo

寒い日が続いてはいるが、嬉しいことに、新しい春がやって来ている。
さすがに鶯はまだ囀ってはいないけれど、野の梅はほころんでいる。
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農道の脇にクルマを停め、あおじくの梅に駆け寄る。
ガードレールを跨ぎ、一段下の地面に降りる。
35ミリかな、28ミリかな?
よし、28ミリで寄って撮ろう。
太陽と青空を強調したいな。
そして、なんといってもこの晴れがましさを表現したいな。
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少し車を走らせたら、なんとも気の早い桜がもうデビューしかけている。
おいおい、大丈夫か?
これからまた寒くなるかもしれないよ。
君はダウンジャケットももっていないんだろう?
・・・彼、か、彼女、かは判らないけど、桜の蕾はなんとなく誇らしげに青空の中で胸を張っている。




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富士も雪煙を収めながら、四方のすべての命の芽吹きを、暖かく見守っているように感じた。
四季の有る国に生まれて、本当に幸せだと思う。

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by libra-mikio | 2017-01-21 21:00 | 季節 | Comments(0)