諸々のことから死を身近に感じている折り、新聞広告で目に止まったDEATH を読んだ。
装丁がよく、質感も高いので本屋でつい買ってしまった。
で、どうだったかと云うと、あんまり面白くなかった。
哲学のアプローチで死について考察しており、その手法は楽しめたが、根本的にキリスト教に裏打ちされた文化を前提に論旨の踏み込みをしており、やはり彼我の異なりについてGAPを感じてしまった。
死というコトソノモノよりは、それに向かい傾斜して行く際の心構えみたいなものを解説して欲しかった。
もちろんこの本でもその努力は認めるが、根本的に神との契約をベースにしている文化での展開である。
逆説的に言えば、僕にとっての仏教との良い肌合いを、改めて想起させてくれた本であった。