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2018年 06月 10日

ハス池の憂鬱

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昭和40年ころ、僕は小学校の4年か5年生だった。
通っていた小学校から僕の家とは反対の方に10分ほど歩くと、そのハス池は有った。
学校の帰り、時々その蓮池に友だちと寄り道した。
池の周囲には住宅などは立っておらず、多くの子どもたちが池を囲んでザリガニ釣りなどしていた。

ある時、僕は池に小石を投げて遊んでいた。無心に、ただひたすら小石を投げていた。
すると力の加減を間違って、石は対岸まで届き、そこにいた2年生くらいの男の子の後頭部に当たってしまった。
カンという音が聞こえた。
その子の後頭部は割れ、黒い髪の間から朱色の液体がにじみ出た。
脳みそがでてきた! 少なくとも僕にはそう思えた。
僕は怖くなった。怖くて怖くて仕方がなく、家に帰ろうと一目散に駆け出した。
あの子はどうなったろう、死んじゃうんじゃないか・・・
後悔の念に身を貫かれ、僕の方も死ぬ思いだった。
数日の間、学校経由で犯人探しの動きがあるのではないかと思い憂鬱だった。

しかし何も起きなかった。
そのうちにどうやら僕は、僕にとっての大事件であったはずのその憂鬱自体を忘れてしまった。

しかし時々思い出す。あの子は大丈夫だったのかな?
一方で、あの石は本当にあの子に当たったのだろうか、とも考えるようになった。
でも音も聞こえた気がするし、朱色がにじむ後頭部も確かに見た気がする。
このようにして、子供時代の不名誉な記憶は、曖昧になりつつも、おそらく一生消し去ることはできないのだろう。

先日、実に久しぶりにそのハス池がどうなっているか見たくなり、自転車に乗って訪れた。
すると池はちゃんとそこに残っていた。
このハス池である。
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by libra-mikio | 2018-06-10 18:58 | 陰翳 | Comments(0)


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