Mickey's world

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2016年 09月 25日

9月の旅

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金曜日に有給休暇を取り、前後の休日を使い2泊3日で季節の狭間の信州を駆け抜けて来た。
いつもの出来心だが、今回は大学院2年の長男が同行した。
彼は既にプラント企業に内定しており、入社すれば海外プロジェクトに配属されることは必定。
故に、彼の中でもある種の感傷があったのかもしれぬ。




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目的地は決めるがルートは自由だ。標識に「旧道」とあれば自然にハンドルを切る。そんな僕流の旅も、彼は受け入れた。
R141から離れた清里の近くでは霧にまかれ、小海線の線路も夢幻になる。
僕はX-T1、彼はEOSで同じ被写体を狙う。
しかし僕は彼の作品をモニター画面で見ることはしない。
24歳の彼には既に彼自身の世界がある筈で、それを評論するのは意味のないことだ。




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旅をしながら、彼を無言館に連れていくことに決めた。
美校から戦地に散った方々の享年と、彼の年齢がほぼ同じことに気付いたからである。
最小限の説明、つまり「ここには戦没画学生の作品がある」ということだけを伝え、無言館に入った。


その夜、宿の一室で酒を酌み交わしながらとりとめのない話をしたが、彼がこう言ったことを覚えている。
「俺は、知覧に行こうと思うんだ」、と。

by libra-mikio | 2016-09-25 21:08 |


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