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2015年 11月 08日

別所、石湯、安楽寺のことなど





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池波正太郎著「真田太平記」において、のちの幸村となる真田源二郎が初めてオトコとなった湯である。
相手は真田の草(忍びの者)である女忍び、お江。
場所は真田の庄、あるいは砥石の城から馬で数時間の、別所温泉である。
ここは今でも「石湯」として開放され、入浴料はなんと150円である。



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入り口を入るとすぐに下足箱と番台。
男湯の暖簾をくぐると2畳ほどの脱衣場があり、引き戸の向こうはすぐに岩風呂である。
硫黄の香りに心が浮き立ち、上がり湯を掛けて湯船に浸かる。
僕の前に入っていた親父さんはもう上がるところで、しわがれた声で「ではお先に」と言って出て行った。
そのあとは誰も入ってこない。
お湯専用のPowershot S100を脱衣籠から持ち出すが、この日は雨降りで寒く、レンズが湯気で曇る。
ばちゃばちゃやりながら写真を撮る。至福である。



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温まった後に、真田源二郎幸村もよく泊まったという、安楽寺に行く。
気温は8度Cくらい。寒い。しかも雨だが、雨の中の撮影は苦にならない。



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国宝の木造裳階付き八角三重塔が見えてくる。



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裳階(もこし)とは最下層の庇のことであり、これはノーカウントらしく、したがって三重塔なのである。
そして八角形というのはここにしかないらしい。
残念ながら塔頭オタクではないのでその構造美については語る術を持たないが、一人晩秋の、氷雨降る別所の地に、鎌倉時代末期に建立されたという塔に向かえば、おのずと感慨も湧いてくるものだ。

by libra-mikio | 2015-11-08 19:47 |


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