銀行は大っきらいだ。 不倶戴天の敵である。 が・・・
今日息子のセンター入試の受験料を振り込みにSMBCに行った。 振込票に必要事項を書き込み、 テラの女の子に渡した。 待つこと数分。 名前を呼ばれ、 控えを受け取った。
と、 その時。 「合格祈願」 と書かれた細長いのし袋を僕に差し出しながら、 その女の子が、
「今が一番大変な時ですよね。 これ、 お受け取りください、 合格祈願の鉛筆です。」
テラの女の子、 ポチャッとしていて頬紅が少しぎこちない素朴な感じの女の子がそう言ったのだ。
無論銀行のノベルティに過ぎないし、 きっと何処の銀行でもやっていることかもしれない。
しかし僕は不意を突かれた。 思いがけない言葉が僕の心に深く届いた。 うれしかった。 白状するが、 眼が潤んだ。