海には体温が有るのだと思う。 いや、 胎温と言うべきか。
あの日、 陸の果ての寂しい突堤は吹きすさぶ雪に真っ白になっている・・・筈だった。
ところがどうだ。 雪はかすかに付着するだけであった。 突堤自身が暖かだったのだろう。
古くから海に突き出た突堤は海に揺籃され続け、 いつの間にか陸の続きの自覚をなくし、 既に自分は海の一部だと思い込んでいるのだろう。
自分は海の胎温に守られているのだと、 思い込んでいるのだろう。
東海道線沿いの、 小田原と真鶴の間にコメカミという土地があり、 そこの海には古い突堤がある。 この突堤は電車から一瞬だけ望める。 車窓より。
EOS7D + EF24-105mm f/4L IS USM