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2009年 06月 10日

蛍袋(ほたるぶくろ)



星の文学者、 野尻抱影 (のじりほうえい、実弟は大仏次郎) の知られざる名著 『星三百六十五夜』 に、

更科の夫人から、 手紙と共に、 蛍袋の押し花が送られて来たくだりがある(7月4日の項)。

野尻抱影の、 いかにも明治人らしい硬質で博識な文体が続く中、 更科の夫人の手紙はそのまま引用
されているので、 そこだけ急に柔らかく、 かえって大和撫子を彷彿とさせる効果を生んでいる。

蛍袋の項も例に漏れず、 なんとも美しく、 辺りの景色、 空気感までもが目に浮かんでくる文章だ。

ここに全文を紹介する訳には行かないが、 皆さんも是非一度お読みになると良い。

この本の底本は「恒星社恒星閣」から出版され、 昭和53年には中公文庫から上下2巻に分かれて
発行されている。

前置きが長くなりすぎたが、 山野で見る蛍袋は、 うつむいてはにかむ少女のような風情がある。
蛍袋(ほたるぶくろ)_e0126386_6342448.jpg
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by libra-mikio | 2009-06-10 06:38 | 高原


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