2016年 04月 18日

ルバイヤート 60

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朝風に薔薇の蕾はほころび、

鶯も花の色香に酔い心地。

おまえもしばしその下陰で憩えよ。

そら、花は土から咲いて土に散る。

・・・・・
ルバイヤート 60
オマル・ハイヤーム作
小川亮作訳
岩波文庫 32-783-1
・・・・・
Canon EOS 7D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM

# by libra-mikio | 2016-04-18 22:56 | | Comments(0)
2016年 04月 13日

花噴水

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甲州の越えたことのない峠を走っていた。

一目見て、花の噴水だと思った。

それならば、花弁のひとひらごとを、光り輝く水滴の様に撮ってやろう。

シャッタースピードを遅く、露光を多くし、何条もの光の筋を際立たせた。
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X-T1

# by libra-mikio | 2016-04-13 21:58 | | Comments(0)
2016年 04月 11日

花の寓話

桃と菜の花が内緒話をしている。

初めのうちは、菜の花も確かに興味があったのだが、少し桃のほうがしゃべり過ぎたらしい。

桃はそんなことには気づかず、風が吹いてふたりが近づくたびに、いそいそと先程の話の続きを菜の花にしている。

人のいい菜の花は無下に話を中断させることもできず、せめて自分の興味が既に薄れたことを、少し視線を逸らすことによって、桃が気付いてくれることを願っている。
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X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-04-11 22:04 | | Comments(0)
2016年 04月 04日

素朴な饒舌

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今、この波を照らしているのは、雲間に沈みかけた太陽だけである。

空と海と太陽。
多少の演出を試みるものは、地球の自転と雲と波。

素朴な饒舌。
太古からの質素な華美。

僕は左目も開けて、ファインダーを通さない生な光景も見続ける。

# by libra-mikio | 2016-04-04 21:26 | | Comments(0)
2016年 04月 02日

春を淋しく思うとき

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串田孫一の随想に、春を淋しがる人、というものがある。
僕がこの文章を知ったのは1974年だから、実に40有余年が過ぎている。
しかし僕は、春を淋しがる、ということが本当にあることなのか理解できなかった。
つい、先日までは。

文中、野辺のバス停に立つ、赤ん坊を背負った若い母親があんまり沈んだ顔つきなので、思わずどうかされましたかと尋ねた筆者に対し、「あんまり春の来かたが早いので、それで淋しくなってしまったところです」と答えるのだ。

その日、というのはちょうど一週間前なのだが、僕は初めて春の到来を本当に淋しく思った。
次から次へと発生する会社での問題に精一杯対応していたその日の朝に、春について感じたことを、僕は夜にまとめようと思っていたが、実際にはそのような余裕はなかった。
そうであろう予感があり、電車の中で、感じたままに、自分に対しメールを送っておいた。

・・・・・
春が来るのが嫌なのではありません。春を待ち焦がれていたんです。
その待ち焦がれていた春が、私の準備ができないうちに来てしまって。
だから寂しいんです。
だって、電車の窓から見えるおうちの庭の、雪柳がもう真っ白なんですもの。
昨日まで、その満開の予兆に気付かなかったのです。
春そのものが淋しいのではなく、自分自身が淋しいんです。
・・・・・

こうして、巡り来ることが当然である春に対し、春を淋しがるということが本当にあるのだな、と40年ぶりに納得したのである。
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今日、法政大学、多摩キャンパスにて。X30。

# by libra-mikio | 2016-04-02 22:23 | 季節 | Comments(0)
2016年 03月 27日

朝のメルヒェン

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今朝の海で出逢ったメルヒェン。
たまにはこういうものもいい。
X30

# by libra-mikio | 2016-03-27 18:37 | | Comments(0)
2016年 03月 22日

カモメのいる日

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カモメのいる日。

みんな満ち足りている。

お腹もいっぱいだし、太陽も隠れない。

争いがなく、自分の居場所があるべきところにあり、みんな気に入っている。

カモメたちは脳ではなく、五感で連帯を感じている。
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X30

# by libra-mikio | 2016-03-22 22:38 | | Comments(0)
2016年 03月 21日

ヨットのいる日

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ヨットのいる日。

おだやかなハーバー。

今はもう、彼らをポンツーンから見送るだけだけれど、潮風が身体を流れていく感覚は忘れてはいない。
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X30

# by libra-mikio | 2016-03-21 16:57 | | Comments(0)
2016年 03月 20日

馬鹿

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いくつになっても勉強だ。
この歳になって、世の中には本当に馬鹿がいることを学んだ。

いい大人であるにもかかわらず、未だに赤子のように自分の価値観を唯一無二とする馬鹿に、初めてお目に掛った。
そしてそれは価値観などと呼べる代物ではない。

馬鹿は見掛けでは判らない。
実に困ったものだ。
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X-T1

追伸
馬鹿という奴が馬鹿だ、とよく言われるが、構わない。
今の僕は憤懣やるかたない。

# by libra-mikio | 2016-03-20 21:36 | Mic記 | Comments(0)
2016年 03月 17日

春宵モクレン

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夜9時半、くたびれて帰って、駅から家に向かい、歩く。

住宅街のいくつかの小道を曲がると、家々の塀の上にモクレンが咲き始めている。

通り過ぎ、家についてからカメラを持ち出し、花に戻る。

花を浮かび上がらせるのは、月齢8日の半月だ・・・と言いたいところだが、ただの街灯。

でもね、ぽってりとした花弁は充分になまめかしく、ようやく到来した春宵に身をゆだねている。
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X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-03-17 23:44 | | Comments(0)
2016年 03月 15日

浜辺の歌

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ゆうべ浜辺を もとおれば
昔の人ぞ   しのばるる
寄する波よ  かえす波よ
月の色も   星のかげも


浜辺の歌は、下の説明のように、林古径が辻堂海岸の思い出を昇華させて描いたものだ。
このような名曲が、我が故郷の情景を織り成したものであることに、僕は誇りを感じる。
朝な夕な、微睡むような光景を見せる海を、どうして愛さずにいられようか。

しかし同時に、僕は嵐の海を知っている。実は小さい頃から今に至るまで、海が怖い。
そして湘南だって津波と無関係ではない。
もう疾うに亡くなった祖母は腰越の人で、子供の頃関東大震災に逢い、津波を体験している。
子供の僕は祖母からよく、津波の引き波の強さについて聞かされたものだ。

海はいい。包容力がある。しかし海の持つ根源的な、暴力的な力を侮ってはいけない。
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# by libra-mikio | 2016-03-15 22:21 | | Comments(0)
2016年 03月 12日

鎮魂

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あれから、たった5年しか経っていないなんて。

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・・・幽霊でもいいから、逢いたい!・・・

わかりすぎるほど、わかる。

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(毎日新聞から転載)

# by libra-mikio | 2016-03-12 23:59 | | Comments(0)
2016年 03月 08日

放哉 Mar 08, 2016



な ぎ さ ふ り か へ る 我 が 足 跡 も 無 く   放哉

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春めいてきた。海も凛々しさからたおやかさに変わりつつある。

汀をたどれば、オーケアノスからのギフトが打ち上げられている。

構図に悩んでいるうち、周りは僕の足跡で満たされた。

波が来て飛びのいた。

振り返れば、まるで僕が居なかったかのように、まっさらの汀だ。

X-T1 + G. ZUIKO 50mm F1.4

# by libra-mikio | 2016-03-08 22:12 | 放哉 | Comments(0)
2016年 03月 07日

放哉 Mar 07, 2016



た つ た 一 人 に な り 切 つ て 夕 空   放哉

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先程までこの辺りにいた数組の二人連れは、寒さに追いやられ、気付けば僕の周りから消えていた。

濃紺に闇が混じり始めた海面は、ちりめんを幽かに残しながら、小さな子供がぞんざいに平らにした粘土のように見えた。

遠くに大島のシルエットが浮かんでいる。

大島よ、お前も一人か、と問うたが、よく見ればさらに遠方の利島が右隣に小さく浮かんでいた。

なんだ、一人きりなのは僕だけか、と一人ごちた。

EOS 40D + EF-S17-55mm f/2.8 IS USM

# by libra-mikio | 2016-03-07 22:42 | 放哉 | Comments(0)
2016年 03月 06日

Z

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Z。乙ではなくZ。

僕にはいろいろZにまつわる記憶がある。

社会人1年目に大阪に赴任して、天王寺のECCに通ったときのクラスメイトに、ゼットというスポーツ関係の会社の人たちがいて、その中の一人の女性がカッコよかった。

そしてアランドロンのゾロ、子供たちのヒーロー快傑ゾロリ、象印マホービン、大阪府警の隠語=AZ=暴走族とか、実にたくさん接点がある。
(あ、僕がAZだった訳ではありませんよ。当時Pチャン=POLICEチャンネルを聞いていて、300とか500とか(300=PM=警察官、500=赤灯緊急走行)聴き分けていたのです)

しかし、Zと言えばやはりZ旗だろう。
「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」

ご存知ですか?
日露戦争時の1905年、日本海海戦の際、東郷平八郎連合艦隊司令長官の座乗する旗艦三笠のマストに掲揚された信号旗のことデス。

X-TI + XF 55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

# by libra-mikio | 2016-03-06 21:36 | | Comments(2)
2016年 03月 05日

奇異な光景

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自分で撮っておいて言うのも妙だが、奇異な光景である。

父親と目される男性の首は下に沈み、娘と目される子供は関係性を途絶しあらぬ方を見ている。

実際には一連の動きがあり、全くのどかな光景であったが、こうして時間を切り取るとなにかシュールリアリズムの世界に入り込む。

人と人の関係もまさにそうなのだろう。
互いに一連の自然な、理に適った振舞いをしているにも関わらず、互いに刹那を切り出したばかりに、以降の関係修復が難しくなるような印象を相手に与えてしまうのだろう。

X-30

# by libra-mikio | 2016-03-05 21:08 | | Comments(0)
2016年 03月 03日

放哉 Mar 04、2016

た だ 風 ば か り 吹 く 日 の 雑 念   放哉

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大風が吹いて砂が飛んで。
そんな時には雑念なんか浮かばない、と思うのだが、実は違う。

思 わ ぬ と 思 う も も の を 思 う な り  思 わ じ と だ に 思 わ じ や き み
from 不動智神妙録 by 沢庵。

そういうものなのである。

# by libra-mikio | 2016-03-03 22:48 | 放哉 | Comments(0)
2016年 03月 02日

お雛様ってなんだ?

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僕に姉妹はおらず、僕はちゃんと男子である(最近は僕と言う女の子もいるので、ちゃんと書いておかねばならぬ)。
そして僕の子供は二人とも男である。
つまり我が家には古くからお雛様を飾る習慣がない。

僕は幼少のみぎりから、女の子がなにゆえ人形を大事にするかとんと見当がつかなかった。
ましてお雛様である。あんなもの並べて何が楽しいのか?
これは現在も嘘イツワラザル気持である。

しかしなんだな、もしも「おカメラ様」という儀式があって、ブレッソンとか木村伊兵衛さんの誕生日に、ライカの模型をずらずら並べるなんてのがあれば、それは大いに興味をそそられる。

これはこれで日本中の女性が声を揃えて言うのだろうな。
「カメラなんか並べて何が楽しいのか?」
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X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-03-02 21:59 | 季節 | Comments(0)
2016年 02月 29日

X30 お宮参り

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我がX30ちゃんに突然悪夢のような夜景試写を課した訳ではない。
ちゃんと由緒正しい源頼朝公の鶴岡八幡宮でお宮参りを済ませたのである。

この日は、舞殿で結婚式が執り行われていた。
X30ちゃんはこの光景を撮るという栄華に浴した。

それにしても、観光客の注視の中でこのように式を挙げるというのは覚悟が要るよなぁ。
なんたって鶴岡八幡宮の舞殿の神前結婚だよ。
おいそれと別れられなくなっちゃうよ。

お・気・の・毒・(笑)
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これが舞殿。勇気のある若旦那である。
X30

# by libra-mikio | 2016-02-29 21:43 | | Comments(0)
2016年 02月 28日

UNHCR

今見終わったNHKスペシャル、UNHCRのシリア難民の話、来た。

岩波ホールで上映してもおかしくない内容だった。

UNHCRスタッフの日本人女性がなんと奮闘されていらっしゃることか。

大所高所の議論はいい。
評論はいい。

なんなんだこれは!

僕には何ができるだろう。できることを探して、行おう。

たくさんたくさん思うことはある。

でも今は濁った頭だからこれ以上は書けない。
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「あの日の声を探して」のサイトから転載。

# by libra-mikio | 2016-02-28 22:14 | Mic記 | Comments(0)
2016年 02月 28日

楽しいカメラ

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またまた楽しいカメラを買ってしまった。
FUJIFILM X30。中古で税込み35,980円也。
選んだ3大条件は、①ちゃんとファインダーが覗けて、②直感的に操作できて、③少しでもセンサーが大きいこと。
この③については、X30は2/3型というビミョウなものであったが、CANON Powershot S100の1/1.7型よりは大きいので、まあ良しとした。

ところでX30はつい最近製造中止になっている。しかし初めから中古でいいと決めていたので問題ない。
最近ハマっているキタムラの中古ネットで探したら、御殿場のお店に良さげな出物があり、発見してから1週間たっても売れていなかったのでゲットした。
何故1週間待つのか。
1週間の間に売れてしまうものは、もともと縁がなかったものだろう、という変なジンクスによる。

前の持ち主はマニアと見えて、赤いレリーズボタンが付いていた。
設定がモノクロになってたし(笑)。
オマケに、プロテクトフィルターとスペアバッテリーも付いていた。
こんなものでも新たに買えば数千円かかる。ラッキー!

さて、昨日、さっそく試し撮り。
そしていつものように、試し撮りには過酷な夜景を選んだ。
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いやあ、よく撮れるものだ。
35ミリ換算で28-112ミリズームだが、F値が2.0-2.8と明るい。
それにいろいろな機能が付いている。
デジカメウォッチでは辛口評であったが、僕には十分である。
S100の替わりの”どこでもカメラ”のつもりで買ったが、EOS5Dはもちろん、X-T1の出番も減るかもしれない。

# by libra-mikio | 2016-02-28 11:13 | | Comments(2)
2016年 02月 24日

写真はモノクロをのみ崇め奉るものかは

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三島由紀夫の豊饒の海を読んでいて痛感した。
写真はモノクロをのみ崇め奉るものかは、と。

少し長くなるが引用する。
豊饒の海(一)春の雪 から。

--------------
こうして一人きりになったとき、清顕ははじめてしみじみと桜をふり仰いだ。
花は黒い簡素な枝にぎっしりと、あたかも岩礁に隙なくはびこった白い貝殻のように咲いていた。夕風が幕をはらませると、まず下枝に風が当たり、しなしなと花が呟くように揺れるにつれて、大きくひろげた末の枝々は花もろとも大まかに鷹揚に揺れた。
花は白くて、房なりの蕾だけが仄赤い。しかし花の白さのうちにも、仔細に見ると、芯の部分の星型が茶紅色で、それが釦の中央の縫い糸の様に一つ一つ堅固に締って見える。
雲も、夕空の青も、互いに犯しあって、どちらも希薄である。花と花はまじわり合い、空を区切る輪郭はあいまいで、夕空の色に紛れるようである。そして枝々や幹の黒が、ますます濃厚に、どぎつく感じられる。
一秒毎、一分毎に、そういう夕空と桜のあまりな親近感は深まった。
---------------

なんという艶やかな描写であろうか。
その色彩感覚、読む者は惹き込まれる。
やはり色彩がある方がいい。
いや、たとえ色彩があっても、汚ければ意味がない。品よく美しくあらねばならぬ。
美しくあり、高貴であれば、その美はモノクロの比ではない。

かくして僕は、カラー写真(笑)を撮ることに、ようやく安堵の吐息をつくことが出来たのであった。

5D + 100MACRO

# by libra-mikio | 2016-02-24 22:46 | その他 | Comments(0)
2016年 02月 21日

た、助けてくれ~~~!!!

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た、助けてくれ~~~!!!

昨日から今日にかけて寒冷前線が通過した。
ちゅうことは、今日はご覧の様に北風がドワッと来た訳だ。
北風っちゅうことは、吾が愛すべき国土の津々浦々に植わっている杉どもから放たれた悪魔が、
ドワッと襲い掛かって来た訳だ。

先週後半からなんとなく気分が悪く風邪でも引いたかと思っていたが花粉が臨界点に来ていた訳だ。
そして今日、ドッカ~~~ンと来やがった。

モウダメ。
ヴェネチアに行ってる小瀧さんがうらやましい!
あ、あっちには糸杉があるか。
イトスギ花粉症ってあんのかな?

あ~~~モウダメ。ぐじゅぐじゅ。
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X-TI + XF 55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

# by libra-mikio | 2016-02-21 21:42 | | Comments(0)
2016年 02月 18日

放哉 Feb 18、2016


山 は 海 の 夕 陽 を う け て か く す と こ ろ 無 し   放哉

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駿河湾から見る富士は、この句のように隠すところがない。
木花開耶姫の裳裾まで露になる。

あまりきれいな写真ではない。
しかしこの時、西伊豆の黄金崎界隈で見た富士は、まさにこの通りの色だった。

姫が白粉を塗り終わっていたら、もう少し見栄えが良くなっていたのかもしれない。

X-TI + XF 55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

# by libra-mikio | 2016-02-18 22:26 | 放哉 | Comments(0)
2016年 02月 17日

放哉 Feb 17、2016


流 る る 風 に 押 さ れ 行 き 海 に 出 る   放哉

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海辺に住んでいると、こういうことって確かにある。

ふと、風に押されて海に出てしまう。

行きついた海がきれいな時もあれば、そうでない時もある。

・・・

この日はきれいだった。

羽化したばかりの小蝶のような、春まだ浅き海。

EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM

# by libra-mikio | 2016-02-17 22:47 | 放哉 | Comments(0)
2016年 02月 16日

時間 2

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本当に恥ずかしいのだが、相も変わらず時間について、幼児の様に考えている。

大学の一般教養では音楽ではなく美術を選択した。

そのころしきりに、同じ芸術でも音楽は時間に支配されており、美術(固定的な)は時間の束縛から免れている、と思っていた。

少なくとも音楽は時間が進行しなければ旋律にならない。G線上のアリアだって一音がいくら長くてもいずれは次の音階が来る。
そもそも楽譜は左から右に、時間の進行があることを如実に示している。

ところが絵画はどうだ。彫刻はどうだ。
レンブラントの夜警も、ロダンの考える人も、そこに存在し続け、その鑑賞に於いて時の進行の助けを不要とする。

…と、思っていた。

しかし今考えるに、時間はすべてのものを基本的に均一に変容させるものである。
すると、鑑賞するためのツールとしてあからさまに時間を駆使する音楽はもとより、絵画も彫刻も、時間の流れという洗礼を受けているのだろう。
でもその変化はおいそれとは知覚できない。
何故ならば、絵画や彫刻を流れる時間と、僕を流れる時間の速度が同一であるが故に相対的な変化が無いように思えるのだろう。
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X-TI + XF 55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

# by libra-mikio | 2016-02-16 23:13 | | Comments(0)
2016年 02月 14日

鎌倉小町

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夜の鎌倉、小町通り。

X-T1に標準レンズを付けてブラブラ歩く。

ふと美を発見した。

さりげなくレリーズする。

世の中には美しい人がいるものだなあ。

まさに、小町通りの、鎌倉小町。

X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-02-14 19:54 | | Comments(0)
2016年 02月 11日

日暮れ梅

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三島の「春の雪」の主人公、松枝侯爵の嫡子、松枝清顕(まつがえきよあき)は気分がすぐに変わる。
今日の僕は、あたかも清顕になったかのようだった。

出掛ける前は大船のフラワーセンターに行こうと思っていたが、藤沢駅に初めに来たのが下りの熱海行き。
大船へ行くには上りに乗らねばならないが、そっか、熱海に行こう、と下りの電車に乗ってしまった。

熱海のどこに行こうかと考えているうち、国府津に来たら、曽我の梅林に行きたくなった。
飛び降りて御殿場線の下曽我へ。
結局今日の一日を曽我の里で過ごした。

今年の梅は遅いようだ。曽我の梅は至る所でせいぜい五分咲きだった。
しかし、吉田兼好も言っている。花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。
(いつか僕はこのフレーズを清少納言と間違えてブログに書いたかもしれない(汗))

たくさん歩いた。
空気はまだ冷たいが、里のあちこちにほのかな梅の香があった。
梅林では流鏑馬が行われており人出も多かったが、里の奥に足を向ける人はほとんどいなかった。

夕方、この光景に出逢った。
里のはずれ、傾斜のきついミカン畑の端でこの梅を見つけた。
もうすぐ日が暮れる、そんな時の梅である。
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X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-02-11 22:38 | | Comments(0)
2016年 02月 07日

放哉 Feb 07, 2016


霜 と け 鳥 光 る   放哉

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ちょっと違うかな?
光ってるんだけどね。

小瀧さんのシュール・カモメ路線を狙ってみました。

カモメって、こっち見るのね。
好奇心旺盛なのね。
初めて知ったぁ。

X-T1 + XF35mm F2R WR

# by libra-mikio | 2016-02-07 19:38 | 放哉 | Comments(0)
2016年 02月 06日

去る者と去られる者

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その時僕は、石神井公園駅の改札へと登る階段の下にいた。
小さい僕は、去ってゆく人を見つめ、涙を流していた。
行かないで。

航空自衛隊勤務の叔父が、休暇を終えて三沢基地に帰る時のことだった。
叔父は型にはまらぬ人で、湘南高校を経て法政大学に入ったはいいが親に内緒で拳闘、つまりボクシングを始めた。
戦争を通じ暴力に疲弊していた親に拳闘部在籍が露見するや、親は、拳闘部をやめるか大学をやめるか、と迫った。
親は無論、拳闘部をやめるという答えを予期していた。
ところが叔父は、ためらうことなく法政をやめると宣言し、そのまま航空自衛隊に入ってしまった。

彼の三沢基地勤務の前、北海道は襟裳の基地にいた時の、地元漁師とのケンカ三昧の話は僕を魅了した。
曰く、飲んで漁師とケンカして、ヤッパで背中を切られたが幸いなるかな体には届かなかった、だから平気な顔をして部隊に戻った。
すると上官から、その背中はどうした、と問われた。
鏡で見ると制服の背中が肩から腰まで切り裂かれていた・・・

こんなエピソードを持つ親類がほかに居よう筈がない。
僕はこの叔父が好きだった。

その叔父が私鉄に乗って去ってゆく。
淋しかった。
階段の途中で振り向いた叔父は笑って手を振った。
僕は、涙で手を振った。

この叔父は随分前に病没した。

# by libra-mikio | 2016-02-06 23:31 | 陰翳 | Comments(0)