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2016年 09月 29日

赤蕎麦

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蕎麦の花は純白で小さくて、群がって咲く。
しかしここに、可憐なピンクをまとう蕎麦がある。
高嶺ルピーという。
信州大学の氏原先生が生前、ヒマラヤから持って帰ったものを伊那谷に根付かせたとのこと。

かつて一度だけ、赤蕎麦の蕎麦(変な言い方だが仕方がない)を食べたことがあるが、特に美味しかったという覚えはない。

しかし、伊那谷の河岸段丘を上り、畑も終わる中央アルプスの麓の小広い高原が一面にピンクに染まっている様子は、或る種不思議であり一見の価値がある。
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この時期、地元の蕎麦屋ではもちろん赤蕎麦を提供する。
しかし僕は踵を返し、伊那のとよばらのローメンを食べに行ってしまった(笑)

by libra-mikio | 2016-09-29 22:12 | | Comments(0)
2016年 09月 25日

9月の旅

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金曜日に有給休暇を取り、前後の休日を使い2泊3日で季節の狭間の信州を駆け抜けて来た。
いつもの出来心だが、今回は大学院2年の長男が同行した。
彼は既にプラント企業に内定しており、入社すれば海外プロジェクトに配属されることは必定。
故に、彼の中でもある種の感傷があったのかもしれぬ。




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目的地は決めるがルートは自由だ。標識に「旧道」とあれば自然にハンドルを切る。そんな僕流の旅も、彼は受け入れた。
R141から離れた清里の近くでは霧にまかれ、小海線の線路も夢幻になる。
僕はX-T1、彼はEOSで同じ被写体を狙う。
しかし僕は彼の作品をモニター画面で見ることはしない。
24歳の彼には既に彼自身の世界がある筈で、それを評論するのは意味のないことだ。




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旅をしながら、彼を無言館に連れていくことに決めた。
美校から戦地に散った方々の享年と、彼の年齢がほぼ同じことに気付いたからである。
最小限の説明、つまり「ここには戦没画学生の作品がある」ということだけを伝え、無言館に入った。


その夜、宿の一室で酒を酌み交わしながらとりとめのない話をしたが、彼がこう言ったことを覚えている。
「俺は、知覧に行こうと思うんだ」、と。

by libra-mikio | 2016-09-25 21:08 | | Comments(0)
2016年 09月 19日

告白

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(この写真は、ついこの間も使ったね、という方がいらっしゃると思うが、本日新たに円覚寺を訪うて撮ったものである)
(つまり、僕はこの方が好きなったのである)

今朝、未明から起き出し、まずは日々に追われて出来ていなかった仕事を家で片づけた。6時間近く掛かった。

やりおおせたのち、鎌倉に行った。実は昨日から行きたかった。
北鎌倉は心理的には遠いが、実際は、僕の家から円覚寺まで、door to door でなんと40分未満であった。

円覚寺は小雨に煙り、珍しく観光客が居なかった。
仏殿に入り、ご本尊の宝冠釈迦如来坐像に向き合うと、一切の音が消えた。
嘘ではない。
山門下を通る横須賀線の音も全くなく、あとから訪れる参拝客も咳き一つせず、皆静かに釈迦如来像を見上げ、時折聞こえるのは遠くの烏と鳶の声だけであった。

何だろう。ふと涙が出てきた。
有難い、という気持であったか。或るいは包まれる、という気持であったか。
確かに僕は泣いた。





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その後、浄智寺に足を延ばした。
曇華殿にも観光客は居なかった。
曇華殿には、浄智寺のご本尊である如来様たち、即ち向かって左から、阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒如来が鎮座ましまし、過去、現在、未来の時を体現なさっているという。





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15世紀半ばごろに再興された仏像であるとのことだが、それでも既に600年近く人間世界を見据えて来られた訳だ。
供えられた花の香であろうか、仏殿の内部は得も言われぬ甘く切ない香りに満ちていた。

・・・そしてこれからが本日の告白である。
この写真を撮っているとき、左手の甲にかそけき痛痒を感じた。
何事ならんと眼をやれば、黒々としたデカい蚊がまさに僕の血をディナーとせんと妙に落ち着いてとまっていた。

瞬間、そこには、命の尊さに想いを馳せる僕と、反射的に叩き潰そうという僕がいた。
オー、マイ、ガッ!
どうする、どうする、どうする!

で、なんと僕の手は、瞬時に彼を叩き潰していた。
如来様たちのおん目の前で!

今日の告白である。

by libra-mikio | 2016-09-19 21:10 | Mic記 | Comments(0)
2016年 09月 18日

ハイコンテクスト、ローコンテクスト

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ハイコンテクスト文化
・直接的に表現することは無粋であり、間接的な表現や逆に凝った描写を好む
・曖昧な表現でも通じ合える
・多くを話さない。「俺の目を見ろ、何にも言うな」
ローコンテクスト文化
・直接的で説明を尽くすロジカルな表現を好む
・言語に対し高い価値と積極的な姿勢を求める。要するに「勘」がない
・寡黙であることを評価しない。「君の目を見ても、何を考えているのか判らない」

或る調査によれば、日本はハイ・コン度合いがあらゆる民族の中でトップであり、ロー・コンのトップはドイツ系アメリカ人であったという。

これは宗教観にも当て嵌まるのではないか。
我々は言わずもがなの多神教であり、八百万の神の存在を極当たり前に感得する。
欧米では一神教が自然に受け入れられ、しかもその神とは契約によって結ばれる。

・・・であった。過去形。

そう、近年、このようには単純化されなくなった。
ZENに憧れる欧米人が増え、ちゃんと教えないと何も身に着かない日本の若者が増えた。
禅、能などは究極のハイ・コンであろう。
一方キャリアパスを示さないと路頭に迷う日本の若者ってロー・コン過ぎないか。(あくまで私見)

そんなことを考えると、彼岸花一つ撮るにしても、注意が必要である。
上は、ハイコンテクストな撮り方。
下は、ローコンテクストな撮り方。
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ハイ・コンの方がいいに決まっている、と僕は思う。
X-T1

by libra-mikio | 2016-09-18 19:49 | Mic記 | Comments(0)
2016年 09月 17日

ZENとジェラシー

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僕は日本、つまり自分の国のことを余りにも知らない。
今、ANAで配布されている「翼の王国」には、浦江由美子さんというライターの「みんなのZEN」というエッセイが掲載されている。
・・・近頃はZENがただの神秘主義としてではなく、ヨーロッパの知的階級には生活感にまで浸透している
・・・オランダの物理学者の一人は白隠や仙厓を含む禅画を収集し「蛙庵」と名付け500点以上コレクションしている
・・・ベルリンの或るコスチュームデザイナーは寝室の一画に座布団を敷き、座禅は彼の日常となっている



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そして彼女はこう書く。
『2年前にドイツのファッション誌チームと京都の実相院をモデル撮影で訪れた時、初来日のエディターのKが撮影の合間、鹿威しをiPhoneで撮影していた。動画はスローモーションで再生され、水の流れや粒が強調されていた。「これってZENでしょ」と言われた瞬間、私はあまりの素晴らしさに、なぜかジェラシーさえ感じてしまった』

判るなぁ、このジェラシー!
本来、日本人である我々がそれを認識していなければならないのにもかかわらず、初めて日本にやって来たドイツ人の方が意識が高い!



円覚寺の本尊、宝冠釈迦如来も、「・・・だろ?」と、僕を横目で睨む。
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X30

by libra-mikio | 2016-09-17 22:02 | Mic記 | Comments(0)
2016年 09月 14日

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月曜日の朝イチから広島市内での仕事があった。そのため前泊で広島に入った。
以前に原爆ドームは訪れていたので、今回は呉に行った。大和ミュージアムだ。
大和は、やはり日本人にとり特別な船だ。



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以前ある広告代理店の人から聞いた話だ。
旧海軍の軍人たちが集まる会合で風采の上がらない老人がいた。
皆、自己紹介で、自分は〇〇に乗り組んでいた、という流れの中、私語も増えてきた頃、その老人の番になった。
「自分は水兵でありましたが、大和に乗艦しておりました」と語った瞬間、私語が止み、誰からともなく立ち上がり、誰からともなく老人に敬礼をしたという。



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大和。
しかし、既に航空戦力の拡充が優位性を持つという世界的な認識が定着する中で、敢えて大艦巨砲主義に拘泥して造られた船。
海軍は(勿論陸軍も)制服組とは別に海軍省という背広組を持つ。
背広組、つまり官僚。石頭の役人が、航空機ではなく艦船に固執した、と言われている。
挙句に、大和たちによる沖縄近海への水上特攻。
・・・



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なにか満たされない気持ちで大和ミュージアムを後にし、夕暮れの呉の町を歩いた。
ほどなく、レンガ造りの建物に出逢った。
海上自衛隊呉地方総監部。
しかしその佇まいは、旧日本海軍呉鎮守府、そのものであった。

by libra-mikio | 2016-09-14 23:01 | | Comments(0)
2016年 09月 10日

夕暮れ時は淋しそう

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さっき、クルマのラジオから、NSPの「夕暮れ時は淋しそう」が流れた。

海もそろそろ、そんな季節である。
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Canon EOS 7D

by libra-mikio | 2016-09-10 22:05 | 季節 | Comments(0)
2016年 09月 07日

”アイリス”の瞳の青

映画「タクシードライバー」のことは何度も書いている。
それだけ凄い映画だった、ということだろう。少なくとも僕にとって。
1976年、監督はマーティン・スコセッシ。ロバート・デ・ニーロと、ほんの少女であった、あのジョディ・フォスター。

13歳のアイリス(ジョディ・フォスター)の瞳の青が忘れられない。
リコリス・スプレンゲリーを、そんなイメージで撮ってみた。
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X-T1
「タクシードライバー」

by libra-mikio | 2016-09-07 23:04 | | Comments(0)
2016年 09月 06日

君の名は 

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名前って面白い。
いつか、フランス語の講義を受けた時その独自の記号の名前を、アクサン・シルコンフレクスと教わった。
なにかこう、フランスに連綿と続く豪農のような人格を想起させる。
アクサン・テギュがアクサン家の当代の家長で、アクサン・グラーヴは大叔父にあたる。
・・・ん?、姓と名が逆か(笑)

ムスクルス・ステルノクライドマストイデウスというのは、ドイツの音楽家なのだろうが、一体いつの時代の?、と思いきや、胸鎖乳突筋という首の両側を上下に走る太い筋肉のドイツ名だそうだ。

ところで、リコリス・スプレンゲリーちゃんである。
どこの国のお嬢さんだろう。
スプレンゲリーというのは少なくともラテンでもゲルマンでもないな。
ケルト系か。
しかし、1st nameのリコリスはどうだ。
なんとなくギリシアっぽいな、つまりヘレニック系か。
ミッコノース! リッコリース!
・・・

ミズ・リコリス・スプレンゲリー。
朱鷺色のドレスにブルーのシルクを合わせ、夏の終わりに忽然と現れる君。
君の名は、その名前だけで、既に僕を虜にしている。
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X-T1

by libra-mikio | 2016-09-06 21:56 | | Comments(0)