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2014年 06月 30日

ガラスの森で

「箱根ガラスの森美術館は緑豊かな箱根仙石原にある日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館」 である。 HPにそう書いてある。

ここは一見の価値がある。 といっても入場料を払って中に入ったのは1回だけ。 いつもはエントランスの前にあるこのガラスの樹をちょろちょろっと撮って (つまり入場料を払わずに) 済ませてしまう。 

しかし、 このガラスたちは不心得なカメラマンには無愛想なもので、 肉眼で見たり、 ムービーならキラキラ感が出るのだが、 写真に撮ると全くキラキラせず、 単なるケイ酸塩化合物となり果て、 取り付く島がない。

この日、 まだ開館前のガラスの森に行き、 胡散臭そうにこちらを見る駐車場誘導係のオジサンや、 庭を掃いている女性スタッフに、 満面の笑みを湛えつつ、 いやぁ綺麗ですねぇ、 写真撮りたくなっちゃったぁ、 などと愛嬌をふりまいて、 光の加減を見ながら何枚かレリーズした。

この時は雨あがりの曇天早朝で、 ヒカリ的には多少残念だったのだが、 何とかイメージを定着させることが出来た。
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Canon EOS 7D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM

by libra-mikio | 2014-06-30 21:12 | 陰翳 | Comments(0)
2014年 06月 29日

蛍袋

野尻抱影の名著 「星三百六十五夜」 の7月4日の項は 「蛍ぶくろ」 である。 文章はこの本に時々出てくる 「更科の婦人」 から野尻抱影が受け取った手紙の文面で始まる。
因みに 「更科の婦人」 とは、 植物の文人、 あの宇都宮貞子さんであり、 ある一時期、 信州更科での星に纏わる体験や山国での生活を野尻抱影に書き送っていたのだ。

少し長いが引用する。

ーーーここの野に咲きました蛍袋をさし上げます。 珍しくもございませんが、 一週間ほど前、 前山の裾から露ながら折って来たものでございます。 今は野の花が豊富でございます。 (中略) 黄百合の夢見るような薄黄色などは、 山裾に露にしとど濡れている姿をそのまま、 ぜひお目にかけたいほどでございます。ーーー

さすがに更科の婦人=宇都宮貞子さんの文章は気品がある。

そして僕は、 「山裾に露にしとど濡れている」、 「珍しくもございません」 ということのない蛍袋に出逢い、 少し興奮しながらレリーズしたのである。
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Canon EOS 7D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-06-29 19:45 | | Comments(0)
2014年 06月 28日

クリ

花木でも草本でも花には実にいろいろな形があり色彩がある。 植物の本を読めば、 その理由はしたたかに考え抜かれた受粉戦略のためだという。

たとえばスミレは花の根元の方が細長く伸びており、 その奥に蜜があるが、 これはその細長い隙間に入れるタマバチのために出来ているという。 タマバチはスミレにとって相性の良い受粉作業者であり、 その他の昆虫たちには門戸を開いていないのだという。

で、 クリだ。 クリは何でこんなに長い花を、 こんなにボウボウと咲かせるのだろう。

こんなに沢山の花が いらっしゃ~い と言っていたら、 気の弱い虫ならば顔をそむけて通り過ぎてしまうだろうに。

一つ一つの花には可憐さも感じるが、 全体でみると呼び込みのケバいピンサロみたい(笑)
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Canon EOS 7D + EF24-105mm f/4L IS USM  

by libra-mikio | 2014-06-28 20:03 | | Comments(0)
2014年 06月 24日

紫陽花図鑑

雨の残る里山を歩けば、 いろいろな花が微笑み掛けてくるが、 出色はやはり紫陽花だろう。

そして、 色といい顎の形といい、 実にさまざまな種類があることに気がつく。

大輪もあれば、 こでまり程のものもある。

こうやって紫陽花を見ていると、 自然と、 城之内早苗さんの 「あじさい橋」 が口をついて出る。

昭和の終わりのいい 「歌謡曲」 だったな、 と懐かしむ。
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Canon EOS 7D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-06-24 21:07 | | Comments(0)
2014年 06月 23日

スケルトン

きっと以前には、 紙が貼ってあったのだと思う。

永い風雪に耐えかねて、 きっと破れたんだろうな。

オーナーは都度補修したのだろうが、 最後は業を煮やして、 全部剥がしちゃったんだろうな。

そしたらそのスケルトンな雰囲気が案外マッチして、 それ以来わざと直さないんだろうな。

こんな遊び心が、 夜の街にはいくらでも転がっているのだろうな。
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Canon EOS 7D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-06-23 21:05 | | Comments(0)
2014年 06月 20日

夜 蛙 湿気

不意に盛大な蛙の合唱。

思わずクルマを停め、 畦に。

分厚い湿気。

こんな夜が大好き。
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Canon EOS 40D + EF-S17-55mm f/2.8 IS USM

by libra-mikio | 2014-06-20 22:28 | | Comments(0)
2014年 06月 19日

甘露なる文章

上質な文章というものはここまでヒトを蕩かすか・・・。 司馬先生の話である。

昨日も書いたが、 「ひとびとの跫音」 を読んでいる。 年譜を見れば、 「坂の上の雲」 を上梓したおよそ10年後の作品である。
「坂の上の雲」 は小説というより論文であると常々思っていたが、 その取材過程、 及びその後日談としての秋山家、 正岡家の末裔の様子を軸に進むこの本は、 先生が肩の荷を下して、 そういえばこんなんもあったんやな、 と、 エセーのように書いている、 のだと思う。

無論初読なのだが、 知らない町に踏み込み、 しかし通い慣れた道のような懐かしさを覚え、 角の家の庭に夏ミカンがたわわに実っていることに驚くような、 すいかずらが秘めやかに香気を発している垣根の前をとおりすぎる時のような、 自らの心底から湧きでる泉の甘さを、 自ら味わう気分にさせてくれる。

甘露を舌の上で転がす気分で、 読んでいる。
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紫陽花を見れば、 やはり司馬先生の シーボルト、 お滝さん、 イネ、 村田蔵六(大村益二郎) の 「花神」 を想うのである。



 

  

by libra-mikio | 2014-06-19 22:01 | | Comments(0)
2014年 06月 18日

「ひとびとの跫音」 に

好きな作家の本をみな読みたい、 というのは誰しも持つ情動だと思う。 これまで何人かの作家に対しそうしてきたが、 とりわけそう思わせるうちの一人が司馬遼太郎だ。 
僕と亡き親父との間では、 「司馬先生」 と呼んでいた。

もうほとんど読み尽くしたのではないかと勝手に思っていたが、 日曜日にブック・オフ(笑)の書棚を丹念に見て回った結果、 「ひとびとの跫音」 と邂逅することが出来た。 
文庫のカバーに、 ≪「人間が生まれて死んでゆくという情趣」を織りなして、 香気ただよう名作≫ とある。
まだ上巻の途中までしか読んではいないが、 まさにそのとおりであり、 久々に司馬先生の瞠目すべき上品で知的で類例のない言葉使い (司馬節) に、 マギー司郎の手品に身を委ねるが如くの心の安寧を覚えている(笑)。

いいなぁ、 司馬先生。 

正岡子規没後の 「ひとびと」 の佇まいが書かれている訳だが、 初めて知ることも多く、 高浜虚子は本名が清であり、 河東碧梧桐は本名が秉五郎 (へいごろう) であったのね。 上質な諧謔味が感じられて、 そうだったのか!、 という目から鱗の楽しみもある。

いいなぁ、司馬先生!
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OLYMPUS M-1 + G.ZUIKO50mm F1.4 + 400PRESTO
 

by libra-mikio | 2014-06-18 21:10 | | Comments(0)
2014年 06月 17日

テトラポッド

ゼウスの親父はクロノスといったか、 そんな巨神が創ったとしか思えない。

テトラポッドを見るといつもそう思う。

そのクロノスの創造物をいともたやすく破壊してしまう彼の長兄、 オーケアノスの恐怖の破壊力。

あのテトラポッドが波の力で割れる。

地球上で我が物顔で歩き回っている場合ではないのである、 ヒトは。
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OLYMPUS M-1 + G.ZUIKO 28mm F3.5 + 400PRESTO

by libra-mikio | 2014-06-17 22:49 | | Comments(0)
2014年 06月 16日

36枚撮り

36枚撮りのフィルムというのは、 えてして余る。

古くは浅間山荘事件の時、 長野県警が火急の斥候写真をすぐに現像せず、 その理由を警察庁に問われた県警幹部は 「だってまだ36枚撮りきってないものですから・・・」 と言ったという、 ウソのようなホントの話があるくらい、 皆さん余りのフィルムには困っているのだ。

僕はある時、 内田ユキオさんの本で、 余ったら花写真、 ということを覚えた。 まぁ、 余らなくてもしょっちゅう花は撮っているが。

で、 撮った花写真。 でも余りのフィルムを消化するために、 この時はわざわざ入園料を払って植物園に行った。 

デジタルでは考えられない世界があるのである。
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 OLYMPUS M-1 + ZUIKO100mm F2.8 + 400PREST 

by libra-mikio | 2014-06-16 20:53 | | Comments(0)