Mickey's world

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2016年 02月 24日

写真はモノクロをのみ崇め奉るものかは

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三島由紀夫の豊饒の海を読んでいて痛感した。
写真はモノクロをのみ崇め奉るものかは、と。

少し長くなるが引用する。
豊饒の海(一)春の雪 から。

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こうして一人きりになったとき、清顕ははじめてしみじみと桜をふり仰いだ。
花は黒い簡素な枝にぎっしりと、あたかも岩礁に隙なくはびこった白い貝殻のように咲いていた。夕風が幕をはらませると、まず下枝に風が当たり、しなしなと花が呟くように揺れるにつれて、大きくひろげた末の枝々は花もろとも大まかに鷹揚に揺れた。
花は白くて、房なりの蕾だけが仄赤い。しかし花の白さのうちにも、仔細に見ると、芯の部分の星型が茶紅色で、それが釦の中央の縫い糸の様に一つ一つ堅固に締って見える。
雲も、夕空の青も、互いに犯しあって、どちらも希薄である。花と花はまじわり合い、空を区切る輪郭はあいまいで、夕空の色に紛れるようである。そして枝々や幹の黒が、ますます濃厚に、どぎつく感じられる。
一秒毎、一分毎に、そういう夕空と桜のあまりな親近感は深まった。
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なんという艶やかな描写であろうか。
その色彩感覚、読む者は惹き込まれる。
やはり色彩がある方がいい。
いや、たとえ色彩があっても、汚ければ意味がない。品よく美しくあらねばならぬ。
美しくあり、高貴であれば、その美はモノクロの比ではない。

かくして僕は、カラー写真(笑)を撮ることに、ようやく安堵の吐息をつくことが出来たのであった。

5D + 100MACRO

by libra-mikio | 2016-02-24 22:46 | その他 | Comments(0)
2015年 05月 06日

力を持つ者がその力を悪く使うこと、それこそが悪いのではないだろうか

滅多に映画を見ないのだが、 新聞評はよく読む。 そしてこれは見なければならない、 と感じたものには映画館に足を運ぶ。

「あの日の声を探して」 ・・・1999年の第二次チェチェン紛争。 両親をロシア正規軍に虐殺されたチェチェン人の9歳の男の子 ハジ は声を失い、 35歳のフランス人女性EU職員 キャロル はチェチェンで何が起きているかを世界に知らせようともがき、 戦争とは縁もゆかりもなかったがマリファナを見咎められ軍に送り込まれた善良な19歳のロシア人青年 コーリャ は上官の凄惨ないじめを通して考えることを止めソルジャーそのものに変貌せざるを得ない。 この3人の視線から物語は展開して行く。 詳述はしないが、 当事者ではない大国の政治的距離感 (つまり何もしない)、 実際に殺される側の絶望、 軍の狂気・・・そういうものをこれでもか、 と見る側に伝える映画だ。

この物語では1999年の第二次チェチェン紛争が描かれているが、 元はといえばイスラム国であるチェチェンにロシア正教を押し付け、 キリル文字を押し付けた旧ソビエトに反発したチェチェン人が脱ロシアを図った1994年の第一次チェチェン紛争に遠因がある。
 
1997年に停戦合意がなされたが、 1999年8月、チェチェン勢力による隣国ダゲスタン侵攻、 モスクワなどの高層アパート爆弾テロが相次ぎ100人以上の市井のロシア人が死亡した。 当時首相だったプーチンは激怒し、 この映画のように第二次チェチェン紛争へとつながって行く。 
実はこの時期のロシアは、 ソ連崩壊後の混乱と軍事予算の削減によりソ連時代と比較して大幅に弱体化していたのだが、 それ故この時のチェチェン進攻はロシア国内で大いに受け、 ウラジーミル・プーチンはボリス・エリツィンに替わり大統領になる。

この映画では100%ロシアが悪く描かれている。 しかし、 一人ロシアだけが悪いのだろうか。

力を持つ者がその力を悪く使うこと、 それこそが悪いのではないだろうか。 
力を持つ者が力を持たない者に暴力をふるうこと、 それこそがいけないのではないだろうか。
ここでいう暴力とは、 実際の戦争行為のみならず、 制度に拠る差別や圧政をも含む。

現在の僕たちは2015年に生きているので、 この映画の後に何が起きたかを知っている。

チェチェン人過激派は、 2002年10月のモスクワ劇場占拠事件や2004年9月の北オセチア共和国での学校占拠事件を起こした。
特に北オセチアのベスラン中学では、 生徒200人近くを含む400人近くが殺された。 この惨劇は今でも生々しく思い出される。

一体、 ロシアだけが悪いのだろうか。 チェチェン人が悪いのだろうか。 
一つ書き落としたがオセチアの学校襲撃は、 チェチェン共和国独立派を中心とする多国籍の武装集団によって起こされた。
そう、 これは当時のアル・カイーダが噛んでいる。

また長くなった。

とにかく、 力を持つ者がその力を悪く使うこと、 それこそが悪いのではないだろうか。
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ネットからの流用です。 悪気はありません。
 

by libra-mikio | 2015-05-06 20:01 | その他 | Comments(0)
2014年 08月 11日

楊貴妃

楊貴妃の墓が日本にあるという。 あ、 既に酔っているので思考回路はハチャメチャである。

しかし楊貴妃の墓が、 山口県の向津具(むかつく)半島の油谷湾(ゆやわん)に面した土地、 二尊院にあるという。 五輪の石塔があるという。 貴妃に従った従者の墓まであるという。

そして、 貴妃を倭国に連れ出したフィクサーは、 第八代遣唐使船に乗った阿倍仲麻呂だという・・・

俄かには信じ難いが、 考え得ることなのだという・・・

空海入唐のわずか50年ほど前の出来事だという・・・

西暦750年頃の、 つまり今から1260年くらい前のことだという・・・

僕の夏休みの自由研究は楊貴妃と玄宗皇帝に決まった。
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何の関係もない写真だと想うなかれ、 この百合は僕の中の楊貴妃なのである。 

by libra-mikio | 2014-08-11 22:59 | その他 | Comments(0)
2014年 05月 26日

イエスとYES

英語のYESは、 イエス・キリストのイエスだとばかり思い込んでいた!

考えてみれば英語でイエス様は、 Jesus Christ=ジーザス・クライストだ。

調べたら、 英語のYESは、 由来的には 古語英語gese (現英:so be it) から変化したもので、 古語の 「g」 が現代英語の 「y」 に変化したものだそうだ。
by集合知。

一方、 Jesus  は、 ヘブライ語(アラム語)でヨシュア(イェシュア)に近い発音が本来の名前で、 現代英語に変化してきたもの。 これも by集合知。

つまりイエスとYESは、 ゼーンゼン別物なのである。

おととい電車の中でフト疑問に思い、 何となく調べたら自分の無知蒙昧さが炙りだされてしまった。

そんなんで今まで良く讃美歌なんて歌ってたよな、 顔から火炎太鼓。
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Canon EOS 7 + EF24-105mm f/4L IS USM + X-TRA400
で、 こういう写真のストックがあることに、 自ら驚いている(笑)

by libra-mikio | 2014-05-26 22:09 | その他 | Comments(0)
2014年 05月 05日

寄稿

以前、 北海道斜里町にある 「北のアルプ美術館」 のことを書いた。 山崎猛館長の知遇を得、 串田孫一つながりで大いに山崎館長を尊崇した訳だが、 その時、 彼からある依頼を受けた。

当館では年に一回、 「緑風」 という名の美術館たよりを発行しており、 次は№22号を6月中旬に予定している、 ついては600~800字程度で何か書いて欲しい・・・

書くことは好きなほうなので、 恐れ多くも引き受けてしまった。 が、 あとから送られてきたバックナンバーには詩人の田中清光氏なども同じ条件で寄稿されており、 果たして軽率であったか、 などと悶々。

しかし書き始めれば興は乗る。 で、 字数を勘定したら1200文字を超えている。 字数制限の難しさを改めて思った。

僧は推す、いや敲く・・・を繰り返しても、 やっとこさ999文字。 これ以上は削れないので何とか勘弁していただく所存である。

写真は、 寄稿文でも触れた、 僕が最初に購入した串田孫一の「光と翳の領域」(講談社文庫)。 今から40年前、 高校2年生の時の本であり、 何回もガムテープや糊で修復し、 今でも時々読み返す。
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by libra-mikio | 2014-05-05 19:20 | その他 | Comments(0)
2013年 10月 27日

偏見

ギリシャのあるロマの夫婦の子供、 マリアちゃんが金髪碧眼であったことから、 人身売買ではないかという糾弾がなされ、 各国のメディアがこぞって取り上げた。

結局実子ではなかったが、 マリアちゃんはブルガリアのロマ夫婦の子供であり、 実の両親が経済的に面倒を見ることが出来ないという理由で、 件のギリシャのロマ夫婦に預けたことが分かった。 DNA鑑定でブルガリアのロマ夫婦の実子であることが確認されたということだ。 

しばらく前に 「あるロマ家族の遍歴」 という本を読んだ。 ロマの人々の典型的な家族史である。 差別と偏見の中でどうやってヨーロッパで生き延びるのか、 時に非合法なシノギも得ながら、 必死でしかし明るく生きる姿にある種感銘を覚えた。

生まれたらロマだった赤ん坊と、 ジプシー・ジタン・ツィゴイネル等と欧州各国で呼ばれる人たちを区別するような教育を受けるところの赤ん坊がいる限り、 この問題は解決しない。

と、 対岸の火事を見るが如くのこのニュースに、 ふと内省すれば、 ボク自身に偏見があることもあぶり出される。 もちろんロマに対してではなく、 自分の価値観と相違する人々への無理解から発する偏見である。 今後可能な限り自分を変えなくてはならない・・・

しかしニホンのメディアはこういう大事なことより長い尺で、 醜悪な、 極めて醜悪な、 ミノモンタの会見を流している。 勘弁してほしい。
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親父へ・・・この子を立派に育ててくれよ。
小僧へ・・・親父の背中を見てまっすぐに生きろよ。

by libra-mikio | 2013-10-27 22:00 | その他 | Comments(0)
2013年 04月 25日

風邪と空海

斜里が祟ったのか風邪をひいて喉が最悪に痛いので会社を休んでしまった。

で、 この前買って未読だった空海の三教指帰(さんごうしいき)を読んだ。 と言っても現代語訳だが(笑)

三教指帰は、 司馬遼太郎の「空海の風景」でその存在を知っていたが、 まさかそんな本が現代語訳で書店に(しかも文庫本で!)並んでいるとは思わなかった。

で、 読むと確かに面白い。 亀毛先生(きもうせんせい)、 なんか現代でもいるよなって感じ。

そして空海自身の投影である仮名乞児(かめいこつじ)も、 1200年前の描写とは思えないほど生き生きとしている。

風邪のベッドで空海を読む。 畏れ多い。
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写真は、 鎌倉・御成のチベット屋さんのマニ車。 密教つながりということで(笑)
OLYMPUS M-1 + G.ZUIKO50mm + SUPERIA X-TRA400

by libra-mikio | 2013-04-25 20:11 | その他 | Comments(0)
2013年 02月 17日

沢教のコンタクトプリント ②

沢田教一はウォー・コレスポンデンツでありウォー・フォトグラファーだ。

「泥まみれの死」や、 ユエ王城攻防戦などの一連の写真は報道写真としてこれ以上のものはないと思えるし、「弾がサワダを避けて通る」と言われるくらい戦場で身を晒してコンバットを撮り続けた男だ。

しかし、 彼は優しさを併せ持つ。

ヴェトナムの子供たちに注がれるレンズ越しの彼の視線は、 武骨ではあるが優しい写真となって、 止まった時間の中に定着している。
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*常設展示物は写真撮影OK。 ただしストロボはNG。 ちゃんと館員さんに確認しました。 横浜美術館にて。
 

by libra-mikio | 2013-02-17 13:37 | その他 | Comments(0)
2013年 02月 17日

沢教のコンタクトプリント ①

ロバート・キャパとゲルダ・タローの写真展を見に行った。

もちろん感動を発し、 キャパとタローについてはいつか書くだろうが、 なんと常設展示で沢田教一の写真も何点かあった。

ピュリツアーを受賞した「安全への逃避」も、 しかしピュリツアーの文字もなくひっそりと展示されていた。

そして見つけたのが2点のベタ焼き。

一本のフィルムではなく何本かをまとめたものだったが、 キュレーターが勝手にフィルムをまとめることはないだろうから、 これは沢教自身の選択なのだろう。

遠い存在の沢教が、 少し身近に感じられた。
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*常設展示物は写真撮影OK。 ただしストロボはNG。 ちゃんと館員さんに確認しました。 横浜美術館にて。

by libra-mikio | 2013-02-17 13:10 | その他 | Comments(0)
2013年 01月 19日

母はNEST

嫌なことがあった。

助けを母親に求めた。

受け止めてくれた。

55歳になって・・・

ありがとう。
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by libra-mikio | 2013-01-19 22:01 | その他 | Comments(0)