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カテゴリ:Mic記( 72 )


2017年 10月 22日

すべての見えない光

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その日、本屋に行くまでこの本のことは全く知らなかった。書棚からこの本が手招きをしていて、つい手に取った。
アンソニー・ドーア著、藤井光訳「すべての見えない光」。

先の大戦でドイツ軍に占領されたフランス、特にブルターニュ地方のサン・マロというイギリス海峡に面した海辺の町が舞台となっている。
この本と同じ時期の占領下フランスを舞台にしたイレーヌ・ネミロフスキー著「フランス組曲」を読んだことがあるが(以前アップした)、趣は違う。
下の背表紙写真に「ラジオから聞こえる懐かしい声が、盲目の少女と若い兵士の心をつなぐ」とあるように、まさにこの短い文がこの物語の全てを現わしている。
最低限の補足を加えれば、盲目の少女は6歳で視力を失ったフランス人のマリー=ロール・ルブランであり、若い兵士はドイツ人技術工科少年兵ヴェルナー・ペニヒである。

書評を書く気はない。気になる方はこの本を読んでいただければよく、ここでは僕が感じたことを書く。

先の大戦、第二次世界大戦は確かに枢軸国日独伊と連合国の戦いであった訳だが、太平洋と、ヨーロッパ大陸で繰り広げられた戦争はおのずと全く違うものであったと感じた。
ヨーロッパ大陸は、確かにラテン、ゲルマン、スラブ、アングロサクソン・・・などの人種に分かれるが、部分的には非常に近しく、またハプスブルグ家や、これは別の意味にはなるがロスチャイルド家などがシナプスをあちこちで形成したこともあり、ある意味共存を図って来た訳だ。
ところがナチズム。
この突拍子もない異様なヒトラーという男が、一人で、地域の緩いWin-Win状況を断ち切り、かき回し、ヨーロッパをボロボロにした。
このナチズムに踊らされ、保身を図らなければ自分が粛清されると恐れおののいたアイヒマンのようなナチ上層部は、確かに必死にヒトラーの妄言に従ったが、直接総統とは関係のないゲルマンの兵たちは、遠い親戚ともいえるフランス人に対し根源的な忌避感覚を持つ訳でもなく、おそらく、部分的には、仕方なく兵としての義務を果たしただけなのだろう。悲劇ではあるが。

この視点は、日本と、特にアメリカを中心とするヨーロッパ連合国との、太平洋戦争における対峙性には当てはまらないのではないか。
どう逆立ちしたって、日本人とアメリカ人が遠い親戚であったということにはならない。

だから、サン・マロの町で、ヴェルナー・ペニヒはマリー=ロール・ルブランを守ろうとするのだ。
極限状態の後に、二人の心が淡く溶ける、P-460の缶詰に関する文章。
『モモ(ペシュ)。桃(レ・ペシュ)だ。・・・「ふたりで分けましょう」と彼女は言う。「あなたが助けてくれたのだから」』
ぐっと来てしまう。

そして、やはり、戦争を起こしてはいけないのだ。
戦争を起こそうとしてはいけないし、戦争を起こしやすくしてはいけないんだ。
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もうすぐ衆院選の開票が始まる。
今日の投票結果が出る前に、僕はこの項をどうしても書きたかった。
もうすぐ20時になる。
書き終えることが出来てほっとしている。


by libra-mikio | 2017-10-22 19:38 | Mic記 | Comments(0)
2017年 09月 25日

加山の時代

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現在、世間からすればかなり恵まれた境遇にいるにも関わらず、年齢的な過渡期を目前にし自分が見えにくくなっている。
これは前にも書いた。

その日、急に降ってきた。
手垢にまみれる前の、自分の感性がピカピカに輝いていたころの自分をもう一度見つけることが出来れば、なんとかなるんじゃないか。
そう思ったのと同時に、大好きだった加山雄三の世界を触媒に使えば、より見つけやすいのではないか、というアイデアもセットで降ってきた。
話せば長いが、小学生の僕は加山雄三に憧れていた、ということが下敷きである。

ためらうことなく堂ヶ島の加山雄三ミュージアムに行った。
写真は展示品の、レコードジャケットの一つ。




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憧れの澄ちゃん、星由里子さん。
あの頃、世間も自分もピュアだった。
或いは、12色の色鉛筆ですべてが表せた時代だった。

僕の試みは正解であったような気がする。
帰り際、加山のベストヒットCDを買った。
堂ヶ島から鵠沼までの5時間、聞きっぱなし、歌いっぱなしで帰って来た。
満足した。
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by libra-mikio | 2017-09-25 23:02 | Mic記 | Comments(0)
2017年 09月 22日

後味がそれほど悪くないフェイクニュース

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なんと、昨夜あれだけ慟哭した、12歳のフリーダ・ソフィアちゃんは実在しないということが、メキシコ海軍から発表された。
元々いなかったんだって。なんじゃそりゃ?

でもさ、実際にいて、且つデッドエンドの72時間を過ぎたらば、それはそれで全世界が哀しみに包まれる。
結果フェイクでも、どちらかといえば後味が悪くないフェイクニュース、だね。


by libra-mikio | 2017-09-22 23:34 | Mic記 | Comments(0)
2017年 08月 21日

たすけて

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誰かたすけて!
おふくろとのコミュニケーションが取れない。

彼女の名誉のためにこれだけは先に書くが、彼女は身の回りのことは出来ている。

でも耳が遠くて会話が成立しない!
成立しないのであれば話しかけないでほしいのだが、お構いなしに細々としたことを言う。
たまらない。
返事をしても聞こえない。
勝手に相づちを打っている。

モウダメ、会話が成立しないことほどフラストレーションが溜まることはない。

お母さん、僕は優しくしたいのだよ。
だから話しかけないで!
お願いだよ。
口を利かないで!

そう思う自分に、フラストレーションがたまるんだよ。


by libra-mikio | 2017-08-21 22:47 | Mic記 | Comments(1)
2017年 08月 20日

漂流

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10日間の長い夏休みをいただき、それはあと数時間で終わる。
この長い240時間を僕はどのように使ったのか。
一つ一つを指で差し、これは善かった、これは今一つだったなどと自分自身を評論することは愚であろう。
自分が決めることが許された、自分の時間の使い方を、自分でけなすことは無用だ。

ただ、こんな書き出しをすることは、何か不完全さを身の内に感じているということだ。
世間に甘えて、大抵のことはやって来たような感じもするが、極々当然のことながら、自分の間口の狭さに実のところ辟易している。
僕が本当にやりたいことは何なのだろう?

18歳の青年にとってこそ想うべき事柄を、還暦を目前にした自分が想うとは!

漂っている。
漂流している。
人生の目的が見えない。

今、僕は自分が情けない。
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by libra-mikio | 2017-08-20 21:06 | Mic記 | Comments(0)
2017年 08月 12日

よみがえるバカ

子供の頃父親と散歩をしていたとき、かなり勾配の急な坂を八百屋か何かのカブがスピードを上げて降りて来た。
カブは僕たちの近くを歩いていたおばさんの間近で、大きなブレーキ音とタイヤの軋みを発して止まった。
カブの兄ちゃんはそのおばさんと面識があったようで、止まった後、悪びれず、満面の笑みで「えへへ、驚いたでしょ」
要するにおばさんをからかったのだ。
おばさんはもちろん驚き顔が引きつっていた。

その後、父親が吐き捨てるように言った。
「馬鹿者が。ブレーキが利かなかったらどうなるかということを、全く考えていない。お前は、あのようにはなるな」
子供ながら、僕は父親のいう意味を即座に理解した。


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江の島の桟橋のすぐ下に、水上バイクの奴らが集まるようになって何年にもなる。
観光客が橋をそぞろ歩くので、奴らは「見られてシアワセ感」を満喫している。ゾクと一緒。
派手にターンを決めて水しぶきを盛大に上げる。
大抵後ろに女を乗っけている。
周囲に何もない所でやればまだしも、仲間のバイクをめがけて水しぶきを浴びせた。
瞬間、子供の頃のカブのバカが脳裏によみがえった。


スキンヘッドのマッチョバカよ、江の島っていうのは、お前らみたいなガキが来るところじゃないんだよ。
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by libra-mikio | 2017-08-12 18:21 | Mic記 | Comments(0)
2017年 08月 03日

白樺

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子供の頃から海辺の育ちで、だから白樺への憧れは並大抵のものではなかった。
或る時従兄が、家族旅行で信州に行ったからそのお土産だ、と言って白樺林のポスターを我が家に持ってきた。
そのポスターは今でいうA0サイズ、実に立派で、ほどなく僕の勉強部屋に張られることになった。
癒された。
そのポスターを見つめていると、NHK-FMの野鳥の声の放送で初めて聞いたカッコウの鳴き声が聞こえてくるのだった。
(あの頃、僕の頭の中にぐるぐる回ってエンドレスだったのは、カッコウの声と吉田美奈子=朝は君に、だけだった)




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こんなお洒落な樹木は他にはないと思う。
花木ではないから、春夏秋冬、いつでもその樹皮の妙を感得できる。
こんな風に、少しやつれていたってワクワクする。
僕にとって白樺は信州の象徴なんだけど、初めて新千歳空港から札幌に向かう電車の車窓に、至極無造作に白樺林が現れた時にはびっくりしたな。
住宅地、いや線路脇に普通に生える白樺。
寒冷地ならば当然かもしれないが、なんとも羨ましかったものだ。




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倒れても、白樺。
た お れ て も し ら か ば 。
いいな。


by libra-mikio | 2017-08-03 22:12 | Mic記 | Comments(0)
2017年 07月 25日

読了

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今年になって、重い腰を上げて、これまで中途で放棄していた鈴木大拙の「日本的霊性」を読み終わった。
勢いを得て、やはりとん挫していた森清著「大拙と幾多郎」も今日、読了した。
3年越し、いや、5年越しかもしれない。
合間に「無心ということ」「禅」を読んでいたが、ようやく、大拙・鈴木貞太郎の爪の垢の一塵ほどに目を向けることが出来たレベルか。

それにしても明治の日本人力には瞠目すべきものがある。
司馬遼太郎が明治の日本人を賞賛する気分が良く判った。
明治人は胸を張って西欧に出て行った。そして東洋の精神を西欧にちゃんと伝えていた。

東慶寺に隣接する松ヶ丘文庫のHPにあたると、老いた大拙が1952年と53年にコロンビア大学で行った講義録「鈴木大拙 コロンビア大学セミナー講義(1952年秋冬学期・1953年春学期)」が昨年刊行された、とあった。
講義は無論英語で行われているが和訳本のようだ。
是非読んでみたい。


by libra-mikio | 2017-07-25 22:42 | Mic記 | Comments(0)
2017年 06月 13日

2017年、初夏の田んぼ

ここは御殿場の田んぼ。
朝の富士が逆さに写って、いい感じ。
これを撮ったのは5月4日午前8時半。今では苗も大きくなっているだろう。
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年に何回か、田んぼっていいな、と思う時がある。
何故かはよく判らない。
でも道すがら、あ、と思ってクルマを停めてしまう。




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国道20号を通れば早く信州方面に行けることは判っている。
けれどあまり風情がないので、釜無川の南西を北上する県道12号をよく使う。
そこで発見した棚田。6月2日午後6時前。
遠くに八ヶ岳を望む、いい空間だった。




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駒ヶ根温泉ホテルの最上階からこっそり撮った、6月3日朝5時半の田んぼ。
伊那谷に昇る朝日が水面に反射し、僕はうれしくて自然と笑みをこぼした。

数日前にアップした、天竜川の河岸段丘の上の田んぼはこの後に撮ったものだ。
田んぼって、なんか、いいな。


by libra-mikio | 2017-06-13 22:32 | Mic記 | Comments(0)
2017年 06月 11日

ついにあの鳥の名前が判った!

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ついにこの鳥の名前が判った!
ガビチョウ、というそうだ。

この写真は2015年6月18日の拙ブログ「ムラヤマ・クロツグミのメス? 」にアップしたのと同じ写真である。
要するに僕は長いことこいつの姿を見ることが出来ず、こいつの鳴き声をクロツグミの声だと思い込んでいたのだが、上の文を書いた日に初めてその姿を捉えたのだった。
もちろん即座に野鳥の図鑑で調べたが、どうしてもクロツグミではないと感じた。このいきさつは前ブログに詳しい。
結局、違うよなぁ、と思いつつ、これはきっとクロツグミのメスで、眉毛が白いことからあの村山首相の名前をくっ付けて、ムラヤマ・クロツグミのメスだなどといい加減なことを書いたのである。半信半疑で。

で、実は今日箱根の温泉に行く道すがら、環境省が設置している「箱根ビジターセンター」に寄ったのだが、箱根に生きる野鳥の写真カードが展示されていた。
もしかしてあいつのカードがあるかも? と思い、期待に手を震わせながらめくっていくと・・・あった!
しかしそこには初めて聞く名前「ガビチョウ」と書いてある。
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ガビチョウ?・・・知らない・・・
早速、センターに備え付けの鳥類大辞典など数冊をひっくり返したが、そんな名前はない。
途方に暮れる1ミリ前で、そうだ学芸員さんにきいてみよう、と閃いた。
(僕はナントカ大臣と違って学芸員さんは立派な人たちだと思っている)
相手をしてくれた方は40台の女性で、なんかこう、優しさのカタマリみたいなチャーミングな方だった。たとえるならば原日出子さんのような💛 (余計か)

僕:
実はこれこれしかじかで、この鳥をずっとクロツグミだと思っていたが今日初めてガビチョウであると知ったんだ。フッ、参ったな。しかし僕が初めて聞く名であると同時にどの辞典にも出ていない。これは一体なんでだろう?もし君に知識があるのならば、そして僕に伝えることをヤブサカではないと思うのならば、教えてはくれないだろうか。

チャーミングさん:
うふ、いいわ。教えてあげる。あなたは実に素敵なポイントを突いたわ。実はこの鳥はもともと日本にはいなかったの。中国からペットとして連れてこられたのよ。でもね、ペットが逃げ出したのか、或いは業者がうるさく鳴くこの鳥を持て余して山に放しちゃったのか、とにかく近年急にあちこちで繁殖したの。これはね、ガビチョウっていうのよ。ガ・ビ・チョ・ウ💛 中国での漢字は画眉鳥で、そのまま音読みにしているのね。最近のことだから、こどもやちょうずかんにも偉そうな権威主義的辞典にも出ていないのだわ。 

僕:
ふーむ、ガビチョウ。ところで自分で言うのもナンだが、僕は鳥の声の聞きなしには多少自信があるんだぜ。しかしこいつは、多少の不信感を持ちつつも僕をしてクロツグミだと思わせた・・・。そこのところが少し口惜しいな。俺もヤキがまわったか。

チャーミングさん:
あら、今度は自己嫌悪? あのね、あなたが間違えたのはおそらく無理もないのよ。実はガビチョウはすごく耳がいいと言われているの。どういうことかというと、他の鳥の声をすぐに覚えて真似をするのよ。しかも本当に上手く。実際に、オオルリやキビタキ、サンコウチョウの真似をするのを私は知っている。クロツグミの鳴き真似なんてコロッケ以上に上手いはずよ。だからあなたはそうひがまなくてもいいのよ。どう? ご気分を直すことが出来て?

・・・バカらしい。すみません。

最後に実際にガ・ビ・チョ・ウ💛の美しくも狂おしい鳴き声をシェアさせていただきます。


★さらにオマケ
箱根からの帰り道に当たるので、つい、ヨロイヅカファームのなお美さんのモニュメントに寄ってしまう。
この、なお美より、という文字の形に惹かれてしまうのだ。
今日のバラを何気なく撮ったのだが、いま写真を見ていて気が付いた。むむ、右に金属の銘板が新しく設置されている!
このモニュメントは日々進化している。
今度、ゆっくり読みに行こう。
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by libra-mikio | 2017-06-11 21:10 | Mic記 | Comments(0)