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カテゴリ:旅( 27 )


2017年 06月 04日

河岸段丘

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河岸段丘のてっぺんから大らかな景色を眺めてみたいと思い立ち、駒ヶ根に行った。
日差しは朝から強いが、気温は15度を下回り、湿度も低く、纏いつく風が夢のように軽く感じられた。

農家に土曜休みがあるとは思えないが、機械は止まっており畑で働く人の姿はなかった。
聴こえるものは耳をかすめる風の音と、遠くでなくアカハラやウグイスの声だけだった。




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こんな高所にも田んぼがある。
苗が行儀よく並び、張られた水は真っ青な空を映していた。
夜になれば蛙たちの大合唱がきっと物凄いことだろう。

真夏にもう一度ここを訪れたいと思った。
稲の実る匂いが暑い風に乗って僕の鼻腔を通り抜けるだろう。
南アルプスの重畳たる山塊の上には素敵な入道雲がもくもくしているだろう。
そんな真夏の光景が既に目に浮かぶのだった。




空が広い。
大地の斜面が広い。
とにかくすべてが広い。明るい。

面白いものだ。
河岸段丘の下は谷で、そこに立てば狭隘である
同じ地形でありながら、自分を置く位置を変えれば、一転して狭隘が広大に変わる。
人生の局面にも同じことが言えるかもしれない。
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by libra-mikio | 2017-06-04 13:04 | | Comments(0)
2017年 05月 08日

尾道そして美少女

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千光寺公園のてっぺんに登ったら、片積雲が夕方の太陽を隠した。
雲が光を裂き、思わずシャッターを切ったが、僕は画面左下の尾道水道を撮りたかった。




何故尾道水道なのか。
それはこの、加納満さんの写真にノックアウトされたからだ。
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2008年 枻出版、CAMERA magazine no.6の表紙。
表紙だけではなく、掲載された数葉の尾道のモノクロ写真は何と魅力的であることか。
もう、行く、断然行く、と決めてから早10年。
ようやく時期が来た。

地図とストリートビューで、概ねどこのポイントから撮影されたのかは把握できたが、結局今回は時間の関係でそこには行けなかった。
クタビレタから、という説もあるが。
で、似たようなアングルで千光寺公園から撮ってはみた。
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あれぇ、ちょっと違うな?
でもいいんだ。また行くし。




さて突然ですが、ここで一人の美少女が登場する。
もちろん彼女に迷惑が掛からないように現像している。
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まぁ、なんというか、僕はモテるのですよ(笑)
言い換えれば人畜無害ともいうが、なんたって、ほかにも観光客が何人もいる中で彼女から僕に声を掛けてきて・・・
と、詳述してもバカらしいのでやめるが、周りにいたおっさん連中は実に不平そうな顔をしていたのは事実(笑)

なぜ尾道で東欧系なのか。
なぜ東欧系なのに言葉が西日本系なのか?
・・・んなことはどうでも良くって、僕は周りの観光客の怨嗟の的となり、呪いが濃ければ濃いほど天にも昇る気分であった。
これ、事実ですよ(笑)




でもさ、尾道水道って、いいよ。
少しだけ真面目な写真をアップしておこう。
人と、街と、水が、知という衣を纏っている。それが尾道。
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by libra-mikio | 2017-05-08 23:00 | | Comments(0)
2017年 05月 07日

尾道の想い出

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尾道。
どれほど行きたかったことか。




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古い商店街を風となって歩けば、自転車の乙女たちがツバメの様に滑走してくる。
飛ぶツバメが鳴き声を発しないのと同じく、乙女たちの声は耳には届かない。
しかし心を澄ます必要もなく、若さが限りなく心に聞こえてくる。
旅人の、尾道という地名に対する感傷を見事に否定しながら、乙女たちは駆け抜ける。




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見知らぬ店を選ぶ嗅覚に自信はなかったが、これは、と入った店は案に違わず安心し、落ち着くことが出来た。
老夫婦が営む店には、よく見かけるタレントとの写真が飾られている。
杯が進めば、問わず語りに会話が始まる。
聞けばご子息は公務員で、ご夫妻はそれを誇りにしている。
短い時間であったが、旅の者としての礼節を弁え、今夜の安宿に向かう。


by libra-mikio | 2017-05-07 22:39 | | Comments(0)
2017年 04月 15日

旅情、谷峨

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旅情というものは遠くに行かなくては味わえないかというと、そうでもない。

御殿場線の谷峨(やが)という駅。
今は亡き親父が、この駅をずいぶんと気に入っていた。
既に何回か僕のブログにも登場しているが、桜の季節になると、どうしてもここに来たくなる。

ありきたりなローカル線の駅だが、親父が好きだったということが、僕に対し特別な意味を持たせる。

人生の岐路や艱難に対峙したとき、僕は決まって親父の墓に出向く。
墓石に向かい相談を持ち掛ける。
そうした文脈とは多少異なるが、僕は桜の季節には谷峨を訪れて、親父に「今年も谷峨はきれいですよ」と報告する。

そういうことが有っていい。
そういう場所が在っていい。

常の墓でなく、いつもとは違う場所で親父と逢う。
その行程は既に心の旅であり、こんな雨上がりのプラットフォームを見て心に起きる感慨は、既に旅情といってよい。
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EOS 5D + 純愛レンズ


by libra-mikio | 2017-04-15 22:17 | | Comments(0)
2016年 11月 12日

稲村

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こんなことを良く想う。

尾道に行きたいなぁ・・・、尾道に行って、加納満さんのような写真を撮りたいなぁ・・・
小豆島に行きたいなぁ・・・、小豆島の西光寺あたりを歩いて尾崎放哉の気分を感得したいなぁ・・・

・・・でも、なかなか行くことが出来ない。
一方、僕は湘南にいる。

尾道の人の中には、或いは小豆島の人の中には、湘南にいきたいなぁ・・・と思っていらっしゃる方もきっといるだろう。
そうであれば、僕は先ずは地元をもっと愛さなければいけないな。

湘南には良い景色がたくさんある。
だから湘南を再発見しよう。

稲村ケ崎の、きっと多くの日本人が知っている光景にも、僕は好きな時に、すぐに、逢いに行くことが出来る。

贅沢なことだと思う。
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X-T1

by libra-mikio | 2016-11-12 21:06 | | Comments(0)
2016年 10月 15日

寅さん

僕は寅さんが大好きだ。
日本人なら、きっと誰でも寅さんが大好きだ。
寅そのものも好きだが、その映画に込められた優しさが大好きだ。

前から行こうと思っていた柴又に、今日、ふらっと行ってきた。
良かった。

帝釈天から少し歩くと、寅さん記念館がある。




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あの「とらや」のお茶の間に家族の団欒が流れている。
画面の家族の笑顔にほっこりする。




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タコ社長の朝日印刷所では社長と博さんが一生懸命に働いている。




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寅は心を入れ替えてとらやの店番するが、やっぱり勤まらない。




すったもんだの挙句、寅は柴又を去らざるを得なくなるわけだが、さくらはどうしたって悲しい。
お兄ちゃん、どうしても行っちゃうの?
おいちゃんだって、おばちゃんだって、もう怒ってはいやしないわ・・・
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さくらの、いや、倍賞千恵子の涙は、きっと映画館で見ていた全員の共感を得、みんなが一緒に涙したことだろう。
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映画にはなかったが、記念館には、伝言板が掛かっていた。
お兄ちゃんはさくらに、ちゃんと想いを残していた・・・


今日、柴又に行ってよかった。
心が、ほぐれた。

by libra-mikio | 2016-10-15 22:50 | | Comments(0)
2016年 09月 29日

赤蕎麦

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蕎麦の花は純白で小さくて、群がって咲く。
しかしここに、可憐なピンクをまとう蕎麦がある。
高嶺ルピーという。
信州大学の氏原先生が生前、ヒマラヤから持って帰ったものを伊那谷に根付かせたとのこと。

かつて一度だけ、赤蕎麦の蕎麦(変な言い方だが仕方がない)を食べたことがあるが、特に美味しかったという覚えはない。

しかし、伊那谷の河岸段丘を上り、畑も終わる中央アルプスの麓の小広い高原が一面にピンクに染まっている様子は、或る種不思議であり一見の価値がある。
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この時期、地元の蕎麦屋ではもちろん赤蕎麦を提供する。
しかし僕は踵を返し、伊那のとよばらのローメンを食べに行ってしまった(笑)

by libra-mikio | 2016-09-29 22:12 | | Comments(0)
2016年 09月 25日

9月の旅

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金曜日に有給休暇を取り、前後の休日を使い2泊3日で季節の狭間の信州を駆け抜けて来た。
いつもの出来心だが、今回は大学院2年の長男が同行した。
彼は既にプラント企業に内定しており、入社すれば海外プロジェクトに配属されることは必定。
故に、彼の中でもある種の感傷があったのかもしれぬ。




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目的地は決めるがルートは自由だ。標識に「旧道」とあれば自然にハンドルを切る。そんな僕流の旅も、彼は受け入れた。
R141から離れた清里の近くでは霧にまかれ、小海線の線路も夢幻になる。
僕はX-T1、彼はEOSで同じ被写体を狙う。
しかし僕は彼の作品をモニター画面で見ることはしない。
24歳の彼には既に彼自身の世界がある筈で、それを評論するのは意味のないことだ。




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旅をしながら、彼を無言館に連れていくことに決めた。
美校から戦地に散った方々の享年と、彼の年齢がほぼ同じことに気付いたからである。
最小限の説明、つまり「ここには戦没画学生の作品がある」ということだけを伝え、無言館に入った。


その夜、宿の一室で酒を酌み交わしながらとりとめのない話をしたが、彼がこう言ったことを覚えている。
「俺は、知覧に行こうと思うんだ」、と。

by libra-mikio | 2016-09-25 21:08 | | Comments(0)
2016年 09月 14日

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月曜日の朝イチから広島市内での仕事があった。そのため前泊で広島に入った。
以前に原爆ドームは訪れていたので、今回は呉に行った。大和ミュージアムだ。
大和は、やはり日本人にとり特別な船だ。



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以前ある広告代理店の人から聞いた話だ。
旧海軍の軍人たちが集まる会合で風采の上がらない老人がいた。
皆、自己紹介で、自分は〇〇に乗り組んでいた、という流れの中、私語も増えてきた頃、その老人の番になった。
「自分は水兵でありましたが、大和に乗艦しておりました」と語った瞬間、私語が止み、誰からともなく立ち上がり、誰からともなく老人に敬礼をしたという。



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大和。
しかし、既に航空戦力の拡充が優位性を持つという世界的な認識が定着する中で、敢えて大艦巨砲主義に拘泥して造られた船。
海軍は(勿論陸軍も)制服組とは別に海軍省という背広組を持つ。
背広組、つまり官僚。石頭の役人が、航空機ではなく艦船に固執した、と言われている。
挙句に、大和たちによる沖縄近海への水上特攻。
・・・



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なにか満たされない気持ちで大和ミュージアムを後にし、夕暮れの呉の町を歩いた。
ほどなく、レンガ造りの建物に出逢った。
海上自衛隊呉地方総監部。
しかしその佇まいは、旧日本海軍呉鎮守府、そのものであった。

by libra-mikio | 2016-09-14 23:01 | | Comments(0)
2016年 06月 16日

浄智寺

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北鎌倉。浄智寺。
その山門が好きだ。

和服の女性が僕の前を行く。
和服というものは、いいものだな、と思う。
何がいいのか はっきりとは言えないが、腑に落ちる、とでも言おうか。



一般人は書院に入ることは出来ないし、入る理由もないが、
開け放たれた入り口の向こうは、寂びた庭で、襖も開放されていて、
ある種の眼福を得た。
このような光景も、僕は好きだ。
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X-T1 + 35mm F2

by libra-mikio | 2016-06-16 22:35 | | Comments(0)