Mickey's world

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カテゴリ:夜( 56 )


2017年 05月 05日

夜のフェリー

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下田逸郎がつくり、石川セリが歌った儚い曲、セクシィ。
・・・旅に出るなら 夜の飛行機 つぶやくあなた セクシィ・・・

夜の飛行機はセクシィかもしれないが、夜のフェリーはもっと現実味を帯びた旅愁を醸し出す。
島外への移動手段が船に限られる小豆島では、夜もフェリーが就航する。

そして男が一人デッキに佇む。




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夜9時。フェリー桟橋では運行要員が手持無沙汰に、しかし忠実に職務をこなす。
僕のような観光客はもう乗船せず、ごく少ない、なにがしかの用事を持つ者だけが船内に入っていく。
騒ぎを起こす馬鹿な若者もいないピアは静かである。




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短い汽笛を一度だけ発し、時刻どおりにフェリーが離岸する。
先程の男だろうか、独り、少しずつ離れていくピアを見つめている。
先程はてっきり彼を商用の人、と位置付けたが、違うのかもしれない。ハートブレイクな若者なのかもしれない。
しばらく考えたが、そんなことはもうどうでも良くなって来ている。




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重油の内燃機関の重い音を港内に低く響かせてはいるが、一瞬華やかに見える船はある意味静かすぎるほど港を出ていく。
フェリーの日常なのだろう。
旅に出ると、非日常なのは旅をしている自分だけであり、その感傷を土地の人に具現化してほしいというのは、旅人の傲慢である。
僕はよそ者であり、僕がどのような感傷に浸ろうとも、土地の人々は忠実に彼らの日常をこなす。




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船足というものは、遅い。が、速い。
時間が万物に共通するスピードであることは理解しているが、少し目を離すと、船は既に遠くなっている。

夜のフェリーは、旅の途中の僕にいろいろなことを突き付ける。

*注意深い読者は既に二隻の別のフェリーの写真が使われていることにお気付きとは思うが、同夜に抱いた作者の主観で綴ることをご理解いただきたい。


by libra-mikio | 2017-05-05 19:49 | | Comments(0)
2017年 04月 12日

蘆花 湘南雑筆 「花月の夜」

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徳富蘆花 湘南雑筆 四月一五日 「花月の夜」 抜粋。

戸を明くれば、十六日の月櫻の梢にあり。
空色(くうしょく)淡くして碧霞(みどりかす)み、白雲團々(はくうんだんだん)、月に近きは銀の如く光り、遠きは綿の如く和(やわら)かなり。
春星(しゅんせい)影よりも微(かすか)に空を綴る。
微茫月色(びぼうげっしょく)、花に映じて、密なる枝は月を鎖(とざ)してほの暗く、疎なる一枝は月に差し出でゝほの白く、風情言い盡(つく)し難し。
薄き影と、薄き光は、落花點々(らくゝわてんてん)たる庭に落ちて地を歩す、宛ながら天を歩むの感あり・・・

・・・

本日は残念ながら4月15日ではないが、まさに月は十六夜である。
いつかきっとこの文章に写真を付けよう、そう思っていた。
すると、先ほどの帰宅の折、鵠沼公民館を通れば、「十六日の月櫻の梢にあり。」!!!
まだ銀座で飲んだワインがかなり効いている中、リュックからX30を取り出し、なんとか撮った。

今日の写真はクォリティを問うものではない。
風流を問うて欲しい。




by libra-mikio | 2017-04-12 23:39 | | Comments(0)
2016年 03月 17日

春宵モクレン

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夜9時半、くたびれて帰って、駅から家に向かい、歩く。

住宅街のいくつかの小道を曲がると、家々の塀の上にモクレンが咲き始めている。

通り過ぎ、家についてからカメラを持ち出し、花に戻る。

花を浮かび上がらせるのは、月齢8日の半月だ・・・と言いたいところだが、ただの街灯。

でもね、ぽってりとした花弁は充分になまめかしく、ようやく到来した春宵に身をゆだねている。
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X-T1 + XF35mm F2R WR

by libra-mikio | 2016-03-17 23:44 | | Comments(0)
2015年 09月 14日

海の星月夜

毎日新聞朝刊に俳句とその解説が載っている。「季語刻々」というタイトルで、坪内稔典氏が紹介している。先日の句は、河東碧梧桐であった。

吾が庭や椎の覆へる星月夜

  quote
庭に大きな椎の木があって、その下は真っ暗。でも木の下を少しずれると星明りだ。
(中略)
小学生のころ、星月夜には影踏みをよくした。キツネを踏んだ、と叫ばれると尾が急に生える感じだった。星の夜は妖しい。
  unquote

この、後半のキツネの文、そして「星の夜は妖しい」、が妖しい。いいなぁ、こういう文章。
星の光で影踏みができる!

ところで、星月夜、というのは月も出ている光景をつい思いがちだが、正しくは、「星の光で、月夜のように明るいと感じた夜」の意味なので、お月様はおらず、星明かりのみの夜のことだ。
いずれにしてもこの文章から、夜気にしっとりと濡れた野面の道の情景が思い浮かぶ。

今宵も湘南は暮れ往くが、海の星月夜というのをいつかは経験したいものだ。
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あ、写真は星月夜ではなく、星月夜を予感させる夕景・・・このまま星の光だけで白い波がみえたらいいなぁ、なんちゃって、ということデス。

by libra-mikio | 2015-09-14 22:15 | | Comments(0)
2015年 04月 25日

お店の夜

茅ヶ崎のとある住宅地の一角には商店街というほどではないがお洒落な店が点在する。
僕はときどき、 このお店たちの夜の顔を撮影している。

夜のお店の・・・、 いや、 お店の夜のディスプレイを見るのは楽しい。
昼間には全く気付かなかった店主のしゃれっ気がさりげなく表れている。
鎌倉も葉山もいい。 鵠沼は・・・ダメ、。 まして辻堂はブー。

今日は、 X-T1 に ZUIKO35mmF2 をつけて開放・ISO1600で撮った。 
手振れ補正なんかなくても、 デジタルボディと明るいZUIKOで難なく撮れる。 すげぇ!
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と、 ここで書くのは終わりにしようと思ったが、 あとひとこと。
以前或るカメラ雑誌で、 北海道のFM局を運営しているアマチュア紳士が、 M6+Sumilux50mmF1.4+ILFORDで、ヴェネツィアのゴンドリエを夜に撮った写真を見た。
心底、 いいなぁと思った。 
僕が夜の写真に目覚めたのは、 このアマチュアカメラマン氏のおかげである。





 

by libra-mikio | 2015-04-25 21:19 | | Comments(0)
2015年 02月 24日

雨、夜、江の島

あの娘たち、 何で今頃居るんだろ?

まてよ、 何で僕はそれを撮ってんだろ?

季節外れの江の島の、 ある雨の夜。
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EOS 5D

by libra-mikio | 2015-02-24 23:11 | | Comments(0)
2014年 11月 25日

漂う夜

今宵は冷えてきた。

数週間前に漂った小諸の夜を想い出す。

旅人は町に溶け込めない。 観察するだけだ。

しかしこの町は無作法にレンズを向ける余所者を排除しない。
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EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-11-25 22:31 | | Comments(0)
2014年 11月 23日

リーズナブルに夜を撮る

旅に出ても、 基本的に泊らなくては夜の写真は撮りにくい。 泊るには宿の手配も面倒だが、 第一コストが掛かる。

それでは、 宿泊のコストを掛けずに景勝地の夜を撮るにはどうしたら良いだろう・・・

なーんだ、 僕は湘南に住んでいるんじゃないか。 湘南の夜を撮ればいいんじゃないか。

と、 短絡的に考え、 試しに夜の江の島にぴゅっと行って来た。

すると、 結構魅力的な光景が広がっていた。
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EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-11-23 21:23 | | Comments(0)
2014年 11月 10日

夜の分去れ

信濃追分にある 「分去れ」 の常夜灯。

「右は越後へ行く北の道 左は木曾へ行く中山道」、 北国街道と中山道の分岐点。

高校生の頃、 追分に寮があった。 近くに寿美屋という酒屋があり、 今でもある。

人生最初の煙草はこの寿美屋から寮への帰り道に吸ったチェリー・・・

小諸の宿に入る前に是非とも行ってみたかった。

夜の分去れ。 灯火のともる常夜灯。 そして雨。
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EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-11-10 21:57 | | Comments(0)
2014年 11月 04日

小諸、夜

最近、 悪天候も自分の写真の性に合うと思い始めている。

故に雨の夜は、 僕にとっていささかの苦痛でも無い。 もちろん防塵・防滴デジタル機材という強い味方があっての話だが。

小諸には日が暮れてから着いた。

つるやホテルにチェックインした後、 カメラを持って街に出る。

初めてでは無いにしろ不得要領な街。

ほっつき歩く。 感情の赴くままにレリーズする。
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EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM

by libra-mikio | 2014-11-04 22:09 | | Comments(0)