創られた公園、と言ってしまえばすべての公園は創られたものであるが、その中でも特に手入れが行き届いていた。
とあるロックフィルダムの、放流サイドにある。
造園の仕事は丁寧で、その光景は癒やしを充分に含んでいる。
ただ、夏休みだが気温が上がらないことと、適度な雨?のせいか、本当に人っ子一人いない。
セミも鳴かない。
風も吹かない。
替わりに、空気中に植物の葉緑素が放出されたかのように、あたり一面に緑が充満している。
湿度ならぬ緑度、などと言う言葉が頭に浮かぶ。
ここはさしずめ飽和葉緑素濃度に近い。
そう、繰り返すが、空気が緑色なんだ。
木々の樹高を見ればこの公園がつくられてからの年月が判ろうというものだ。
そしてベンチの配置がいい。
小さな丘の造りもいい。
芝は刈られたばかりだ。
なぜ僕一人しかいないんだろ?