ニッコウキスゲが見たくなった。
台風11号がまっすぐに日本を目指している時、 霧ケ峰の宿に予約を入れた。 結果 all right.
朝5時半の霧ケ峰はすっぽりと霧の中。
霧の上空はとっくに夏の朝陽が飛び交っているのだが、 霧に覆われたこの場所では、
光はためらいがちに夜を押しのけているようで、 そこかしこがうす青かった。
形の整った蕾を見つけた。 きれいに撮ってあげようと想った。
7時近くになって、 霧がまばらにはれたり、 また立ち込めたりを繰り返すようになった。
はれかかった刹那、 遠くの丘の木立が見えた。
前日から霧ケ峰に入っているのだが今度の旅は、 今、 この瞬間から始まったのだという、 自分に対する暗黙の了解が行われたようだった。