夕べ年若い部下、 と言ってももう40は過ぎているが、 そいつと呑んだ。
理系の彼は美についての感性がないと言った。
それはおかしいと、 僕は言った。
例えば、 太陽系の惑星の、 太陽からの距離が整数比になっていること自体が美しいではないか。
すべての民族・・・とは言わないが、 大半の民族の持つ音階が整数比になっていること自体が美しいではないか。
理系であれば、 自然界の調和に目を見張る場面がある筈である・・・
そんなことを話した。
必然の流れで神の話題になった。
彼はもとより、 僕にしても決まった信仰は持たない。
しかし先ほどの惑星の整数比などを思えば、 何かしら人智を超えた存在があることは疑うべくもない。
そんなことを話した。
雲は水の変態によって起きる現象である。 しかし雲のメカニズムはさておき、 僕は正直に、 雲の様子に美を感じる。
この雲はどうだ。
僕なりに言えば、 雲のある風景というのは、 空というキャンバスに、 雲という絵具を用いて、 人智を超えた存在が描く画なのだと思う。
EOS 5D + EF24-105mm f/4L IS USM