高村光太郎の詩、 「父の顔(道程)」 を読んでいてハッと思い至った。
「・・・つくられし父の顔は/魚類のごとくふかく黙すれど・・・」
魚類は確かに言葉(のような発声)を発しない。
海中は、 潮流などの物理的な音はおそらくあるのだろうが、 発車のベルも、 冗漫なタレントの無価値な言葉も、 つまり耳を塞ぎたくなるような雑音は無いのだ。
魚が羨ましく思える。
誰そ彼時の腰越漁港には、 その魚類を捕獲する漁船が、 魚類に敬意を表してひっそりと陸揚げされていた。
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